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<東北大雇い止め>対象1140人 9割が雇用期間5年超 違法の恐れ指摘も

 東北大が雇用契約の更新を繰り返してきた非正規職員を来年3月末に雇い止めにする問題で、対象者は約1140人となることが29日、同大への取材で分かった。このうち法律で有期契約から無期への雇用転換が認められる通算5年を超えて働く人は、9割以上の約1050人に上る。

 2013年4月施行の改正労働契約法で、同じ職場で通算5年を超えて働く有期雇用者は、来年4月から雇用主に無期転換を申し込めるようになる。
 東北大には約1万人の教職員が勤め、このうち非正規は約3700人。同大は無期転換権が生じる直前の来年3月末で、契約期間が満5年を迎える非正規を雇い止めにする方針だ。
 ただ、東北大では内規で契約更新が最長5年までと定められている一方で、実際には5年超の雇用が常態化していた。同大は04年の国立大学法人化以前から働く非正規職員ら約200人は無期転換するが、それ以外の5年超の有期雇用者は雇い止めにする構えを見せている。
 東北大の担当者は根拠として「5年超の人も14年度以降は『13年度から最長5年で雇い止めにする』との合意文書を交わして契約更新してきた」と説明する。
 同じ国立大学法人の名古屋大は、来年4月に5年超の有期雇用者約750人を無期転換の対象とする方針。同大関係者は「5年超の人には雇用継続の『期待権』が発生し、雇い止めは違法だ。拒否できない状況で交わされた合意文書も無効ではないか」と指摘する。
 東北大は雇い止めにする職員らを対象に来年度、職務などを制限した「限定正職員」を導入する。8月に募集を始め、試験を経て11月に合否を決めるが、採用数は明らかにしていない。
 国の調査で、全国86の国立大のうち来年4月に非正規を無期転換させるのは六つ。全国大学高専教職員組合は1万人規模の雇い止めが起きると試算する。

[労働契約法] 労働契約の原則を定め、雇用の安定を図る目的の法律。改正法の13年4月施行で、有期雇用者の無期転換が5年後の18年4月に始まる。人員削減をしづらくなるため、雇用主が事前に雇い止めをするケースが相次ぐと懸念されていた。改正法には契約更新が繰り返されるなど、労働者が雇用継続を期待する合理性がある場合は雇い止めを認めないルールも新設された。


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2017年09月30日土曜日


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