広域のニュース

<衆院選東北>激流(中)希望の勃興/小池劇場 われもわれも

「希望の党」の設立記者会見に臨む小池(右上)と、合流方針を表明した前原(左)。中央下は、かつて2人と行動を共にした小沢

 解散風と同時に首都でうごめきだした渦が、台風となって列島を吹き荒れる。

<重なる「豪腕」>
 「日本をリセットする。さらに多くの仲間が増えていく」。「希望の党」代表に就いた東京都知事小池百合子が9月27日午前、都内で開いた党の設立記者会見。党勢拡大に強い自信を見せた小池に、民進党代表前原誠司は直ちに呼応した。
 「野党がばらばらでは選挙は勝てない。力を合わせて日本の政治を変える」。同日夕、前原は仙台市内のホテルで希望への合流を高らかに宣言した。野党第1党が、発足間もない新党に政界再編の主導権を譲り渡した瞬間だった。
 翌28日、衆院解散後に開かれた民進の両院議員総会。「大ばくち」への異論はかき消された。
 衆院宮城5区に立つ宮城県連代表安住淳(55)は「小池新党と一緒になって初めて自公と対決できる」と勇み立ち、福島3区の党総合選対本部長代行玄葉光一郎(53)は「局面打開を考える中で生まれた知恵だ」と決断に追随した。
 野党第1党が消滅する事態にもかからず、高揚感をにじませた2氏。民主党の政権陥落以来、首相安倍晋三に国政選挙で連戦連敗し、出口が見えない党勢低迷の反動が、異様な興奮に直結した。
 民進の命運を一気に握った小池。豪腕ぶりは岩手3区の自由党共同代表小沢一郎(75)と重なる。新進党で行動を共にし、旧自由党の2000年にたもとを分かって以来、17年ぶりに2人の野望が一つになった。
 野党の大同団結による政権交代、自民と並び立つ保守政党づくり。小池が突き進む路線は、師匠格だった小沢の持論でもある。
 「当初から有能だと思っていたが、さらに政治家として大きくなった」。小沢は28日の記者会見で小池を持ち上げ、選挙協力する方針を表明した。

<情報飛び交う>
 新党の磁場は、政界復帰を狙う面々を引き寄せる。
 「大きな風が起きようとしている。動きを止めてはならない」。山形3区の無所属元議員阿部寿一(58)は29日、酒田市の事務所開きで希望入りを示唆。民進の元参院議員松浦大悟(47)も「自民、民進とも民意の受け皿になり得ていない」と、秋田県内で希望からの立候補を目指す。
 「衆院議員細野豪志が誘っている」「小池筋が手を回した」。東北で虚々実々の情報が飛び交う。10日の公示が迫り、候補者をかき集める新党の焦燥は、地方に混乱の種をまく。
 仙台市議伊藤優太(32)は9月29日、民進を離党し新党から宮城1区に立候補する意向を示した。先に立候補を表明した民進市議岡本章子(53)と競合する。伊藤は「民進での人間関係は取り戻せない」と絶交覚悟で名乗りを上げた。
 選別と排除をいとわず、組織破壊を誘発する小池のシナリオ。緑のイメージカラーを掲げた「グリーンモンスター」が、政界地図を描き換えようとしている。
(敬称略)


2017年10月02日月曜日


先頭に戻る