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<宮城知事・衆院W選>政治との距離まだ遠く

知事選と衆院選を巡る丸山教授(右奥)の問い掛けに意見を出し合う学生たち=9月29日午後2時20分ごろ、仙台青葉学院短大

 「投票する意味を感じるか」「知事選の候補者を知っているか」「衆院選の争点は何か」
 仙台青葉学院短大(仙台市若林区)で9月29日にあったビジネスキャリア学科の講義。1、2年生のゼミ生45人に向かい、学科長の丸山和幸教授(57)は質問を投げ掛けた。

◎18歳選挙権の現場から

<争点分からず>
 県内では5日告示の知事選と10日公示の衆院選が、初めて同日選(22日投開票)で実施される。学生からは「争点や各党の主張が分からない」との声に加え、「投票に行く電車賃が惜しい」「投票しなくても影響がない」など関心の低さも浮かび上がった。
 丸山教授は「二つの選挙は学生が成長する大きなチャンスだ」とみる。県内の生産者や企業に赴いて課題の聞き取りを重ねるなど、フィールドワークを授業の柱に位置付ける同学科。選挙を通じて、社会の実相を伝えようと模索する。
 「学生は半径数メートルの世界で生きていて、自分の生活と政治の距離がまだ遠い」と分析する丸山教授。「講義の中で刺激を与え、一票で社会を変える意識を芽生えさせたい」と話す。
 古川学園高(大崎市)は選挙権を得る3年生を中心に、県議会や大崎市議会での傍聴を総合学習の授業に組み込んでいる。民意が反映される場を体感してもらうのが大きな狙いだ。

<議員に質問も>
 市議会では鳴子温泉への観光客誘致や、地元の体育館の設備更新など身近な議題に熱心に耳を傾けた。議会の昼休みの時間を活用し、生徒が議員に質問する「模擬議会」も企画。若年層の定住促進や学費補助などについてやりとりした。
 坂元真樹教諭(43)は「議員や議会を目の当たりにすることで、有権者の責任の重さを実感できる」と期待する。選挙戦では生徒が立候補予定者や政策の情報を集め、考える土台をつくる予定だ。「選択肢を与えられるだけではなく、自らの意思を託す姿勢を持たせたい」と目標を掲げる。

 「18歳選挙権」の導入後、初となる知事選が衆院選との同日選で実施される。地域と県政、県政と国政が重なり合う論戦を、若者はどう受け止めるのか。仙台青葉学院短大と古川学園高の主権者教育を、告示・公示前と選挙期間中、選挙後にそれぞれ定点観測し、一票に託す思いを探る。
(報道部・鈴木悠太)


2017年10月03日火曜日


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