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<ニッポンで共に生きる>不安抱えて教師奮闘

仙台市国見小の国際教室で佐藤先生(右)と一緒に学習するアリフィアン君

 日本に住む外国人が増え、外国にルーツのある子どもが公立の小中高校で学ぶケースが珍しくなくなった。その一方で日本語を理解できないまま、異なる文化の中で必死に生きる子どもが少なくなく、学校の教師や支援団体が中心になって懸命にサポートする。宮城県の現状を取材し、課題を探った。(生活文化部・越中谷郁子)

◎外国にルーツある子の今(2)学校現場

<「国際教室」設置>
 仙台市国見小には、外国にルーツのある児童を支援する「国際教室」が設けられている。開設は1992年で、専任の教諭がいる。学区内に外国人留学生らが住む東北大国際交流会館などがあり、その子どもたちが多く通うためだ。
 本年度、国見小には外国籍の子が19人、保護者が外国出身の子8人が在籍。担当するのは教諭歴6年で、日常英会話ができる佐藤秀太郎先生(28)だ。「日本語理解が不十分な子は、国語などの時間に普通クラスから国際教室に移動して、日本語や教科の補習などを一緒にやります。国際教室に来ると緊張がほぐれて、明るくなる子もいます」
 7月中旬。佐藤先生がインドネシア出身の4年生、アリフィアン君(10)をクラスに迎えに行った。今年4月に編入したばかりで、日本語は平仮名が読める程度だ。佐藤先生が英語でコミュニケーションを取ると、アリフィアン君は笑顔になった。
 この日の授業は、絵を見て何の科目かを平仮名で書く日本語学習と、垂直と平行を学ぶ算数のプリントの間違い直し。「What is suityoku?」と佐藤先生は問い掛け、両腕を顔の前で90度に交差させる。アリフィアン君は「OK」とうなずいた。
 佐藤先生は外国籍の子を中心に、週に国際教室での指導15時間、クラスでの付き添い指導6時間の計21時間を担当する。他に学校からの文書の英訳、保護者と担任教諭の橋渡し、保護者とのコミュニケーションと仕事内容は多岐にわたる。「専任とはいえ、担当する児童が多くて手いっぱい」
 学校に近い東北福祉大と連携し、4年前から支援が必要な子どもたちをサポートする学生を受け入れている。本年度は9月以降、学生14人が週1回程度、1年生を中心に学習支援に入る予定だという。

<「やること2倍」>
 一方で、専任の教諭が配置されておらず、担任教諭が対応する学校もある。仙台市片平丁小には、外国にルーツのある児童が15人在籍し、そのうち日本語指導が必要な児童は10人。日本語が全く分からず、市の指導協力者派遣制度を利用する子も4人いる。
 担任教諭が個別に子どもや保護者とのコミュニケーションや、授業の進め方に不安や悩みを抱えながら対応に奮闘する。「別課題を用意すると、やることが2倍になる」「日常の授業を進めつつ、その子にどう声を掛け学習させたらいいか手探りだ」と打ち明ける。
 黒板の文字に読み仮名を振ったり、翻訳ツールを利用して英語に直したり工夫して教える教諭もいる。保護者に子どもの健康状態や行事の日程が伝わっているか、きめ細かな確認も欠かせない。
 片平丁小の吉田秀夫校長は「編入の情報は突然来る。子どもの背景や能力には個人差があり、先生たちは準備期間がない中で、よく対応している」と話す。その上で「担任1人では限界がある。同じような子どもに対応する教諭の情報交換会や、学習を補助する学外の教室などの充実が必要ではないか」と述べた。

[メモ]仙台市教委によると、日本語指導が必要な児童生徒は今年5月時点で、国籍を問わず小学生46人、中学生4人の計50人いる。国見小のほかに八幡、幸町、幸町南、茂庭台の4小と仙台一、三条の両中に専任の教師が配置されている。国の「外国人等児童生徒日本語指導加配」制度を活用しており、事業費は国が3分の1、残りを仙台市が負担する。


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2017年09月21日木曜日


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