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<仙台圏私のベスト本>(5)「兎の眼」人に歩み寄る姿勢学ぶ

森遙香さん

 読書の秋真っ盛り。仙台圏の方々にイチ推し本への愛を語ってもらった。

◎東日本放送アナウンサー 森遙香さん(26)=仙台市

 高校生の頃まで作家を目指していました。ちょっと恥ずかしいですが、神社のみこが主人公のオリジナル小説を同級生に披露したこともあります。読書家の父親の影響で、歴史を中心に推理、ファンタジーなど幅広いジャンルの本を読み、自然と表現力が身に付きました。
 今も暇さえあれば読書をしています。特別な一冊は、小学3年の時に母親から紹介された「兎(うさぎ)の眼(め)」です。大人になってからも、折に触れて手に取ります。
 初めて読んだ時は恵まれない境遇の少年に同情しましたが、何度も読み返すうちに少年の複雑な心理に関心が移りました。周りに理解されにくい自分だけの世界が誰にでもある。人の心の多様さに触れられるのが魅力です。
 教師として真っすぐに教え子と向き合う主人公に自分を重ね合わせ、インタビュー取材の苦手意識も乗り越えられました。相手を少しでも理解するため、最後まで諦めずに歩み寄る姿勢を貫く−。アナウンサーとして持ち続けている信念も、この本から学びました。
 子育て中のお母さんや人間関係に悩む同世代に読んでもらいたいですね。最後に心が通い合う教師と子どもの姿に、きっと勇気付けられるはずです。
(鈴木悠太)

[メモ]工業地帯にある小学校が舞台。大学を出たばかりの新任教師小谷芙美が、口を利こうとしない教え子の臼井鉄三の心を開こうと苦闘しながら、成長していく姿を描く。鉄三が飼うハエの生態を一緒に観察するなど時間を重ねながら、2人は心を通わせていく。


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2017年10月03日火曜日


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