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<衆院選宮城>区割り改定で5区に編入の3町 有権者困惑「候補の顔知らない」

大郷町内に張られた勝沼、安住両氏のポスター。知名度アップを狙う苦労がにじむ=9月27日

 10日公示の衆院選(22日投開票)で、石巻市を中心とした宮城5区は4区から松島、大郷の2町、6区から南三陸町が編入される。「1票の格差」是正に伴い、区割りを改定する改正公選法の6月公布から4カ月足らず。立候補予定者どころか、区割りも浸透しないままの選挙に有権者、各陣営ともに戸惑いを隠さない。民進党の希望の党への合流や分裂といった政局も、混乱に拍車を掛けている。
 5区に立候補を表明しているのは、自民党の勝沼栄明氏(42)、民進党系無所属の安住淳氏(55)の2氏。県内で唯一、前議員同士の対決となるとみられる。
 「お世話になります」「はじめまして」。3選に挑む勝沼氏、8選を期す安住氏の両陣営は夏以降、新人を思わせるかのようなメッセージを記したポスターを編入された3町に張った。
 3町の有権者は計約3万。5区全体の有権者約26万の約11%を占める。両陣営に渦巻くのは、知名度不足による不安感だ。
 「候補者の顔は分からないし、会ったこともない」。松島町の無職男性(68)がこぼす。大郷町の男性会社員(60)も「(3町は)数合わせのために切り捨てられた感じだ」と憤る。
 戸惑いは有権者のみならず、支持者にも広がる。2014年の前回衆院選で、南三陸町では自民前議員の小野寺五典氏(57)が85%の得票率で圧倒した。固い保守地盤ながら、同町の自民党関係者は「小野寺氏の票がそのまま勝沼氏に回るかどうか分からない」と危ぶむ。
 同町は22日、衆院選、知事選に加え、町長選、町議選の投票もある。町長選への立候補を予定する現職の後援会からは「国政よりも町のことが最優先。なかなか身動きが取れない」との嘆きが漏れる。
 4区から編入された松島、大郷両町も自民前議員の伊藤信太郎氏(64)を長年支持してきた強い後援会がある。幹部の一人は「勝沼氏には何度も足を運んでもらっているが、候補者を知らない人が多い」と明かす。
 勝沼氏は新たに選挙区となった3町を精力的に駆け巡り、4区、6区の前議員らが培ってきた保守系地盤を受け継ごうと懸命だ。小規模なイベントにも顔を出し「浸透はこれから。地域の隅々まで回る」と表情を引き締める。
 安住氏は所属した民進党の空中分解という異常事態が重なる。2日には無所属で立候補する意向を表明。「なじみの少ない地域もあり、名前を覚えてもらわなければ」と、自ら3町に足を運ぶ。
 先行きが不透明で、訴える政策も知らない候補者に一票を託せるのか。公示が日一日と迫る中、区割り改定と突然の解散、迷走する政情による有権者、各陣営の困惑は深まるばかりだ。


2017年10月04日水曜日


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