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<大川小控訴審>仙台高裁裁判官が現地視察

教職員と児童が津波襲来直前に向かったとされる北上川堤防付近の状況を確認する裁判官ら=4日午後1時50分ごろ、石巻市釜谷

 東日本大震災の津波で死亡・行方不明になった宮城県石巻市大川小の児童23人の19遺族が、市と宮城県に約23億円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審で、仙台高裁の裁判官3人が4日、現地を視察した。
 小川浩裁判長をはじめ、遺族側と市・県側の関係者ら計約30人が参加。校庭から教職員と児童が津波襲来直前に向かったとされる北上川堤防付近(三角地帯、標高約7メートル)を経て、約500メートル先の林道付近までを約45分かけて徒歩で確かめた。津波が遡(そ)上(じょう)した北上川と校舎との距離も確認した。
 遺族側は児童が避難した経路や安全に避難できたと主張する校舎近くの裏山への三つのルート、津波到達地点を示す案内板などを設置。双方の代理人弁護士が津波襲来時の様子や各地点の位置関係を説明し、裁判官は「津波はどこまで来たのか」などと質問していた。
 6年生だった三男雄樹君=当時(12)=を亡くした佐藤和隆さん(50)は「(視察予定に含まれていない)裏山についても裁判官が遺族の説明に耳を傾けてくれた。判決にしっかり反映してもらえると確信できた」と語った。
 市・県側の代理人は「教職員が児童を誘導しようとした三角地帯までの近さや高低差を実際に確認してもらい、有意義な視察になった」と述べた。
 控訴審は事前防災の是非が焦点。校庭から裏山への避難ルートを中心に視察した一審と異なり、高裁は今回の視察箇所を避難場所の一つとしてマニュアルに明記すべきだったかを検討し、震災前の市や学校の組織的責任の有無を判断するとみられる。
 地裁は昨年10月、教員らは津波の襲来を約7分前までに予見できたと認定。学校の過失を認め、計約14億2660万円の賠償を命じた。大川小には約8.6メートルの津波が襲来し、児童74人と教職員10人の計84人が死亡・行方不明になった。


2017年10月05日木曜日


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