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<富谷市・市制移行1年>住民期待も財政限界 少子高齢化対策急務

今年4月、明石台地区にオープンした子育て支援センター

 宮城県富谷市は10日、県内で45年ぶりの単独市制移行から1年を迎える。新市は市民生活に自然に溶け込むが、まちづくりの正念場はこれからだ。若生裕俊市長は「持続可能な市の将来像を示したい」と先を見据える。

<「生活変わらず」>
 「富谷市という響きはいい。でも実生活は1年前の町のころと変わらない」。そう話す市内の50代会社員女性は「市になったら地下鉄が来たり、図書館ができたりするかと思ったけれど。そう簡単ではないのでしょうね」と苦笑いした。
 市制移行に伴い、住民の期待は一気に膨らんだ。市は、市長公約である仙台市泉区方面への交通アクセス改善を目的とした新公共交通システムの導入検討を進めた。
 図書館建設に向け、市民意見交換会も開催。子育て支援センター開設や旧役場庁舎改修、とみや国際スイーツ博覧会、庁舎屋上での養蜂実験など独自色のある事業を展開してきた。
 だが、全ての住民ニーズに応えるには財政的な限界がある。税収構造が町制時代と基本的に変わらない上、単独の市制移行のため合併特例債のような措置もない。若生市長は「期待に応えられるよう行財政改革を進め、選択と集中で施策を展開していく」と理解を求める。

<平均年齢40代に>
 財政だけではない。住民の年齢層は比較的若いが、少子高齢化は徐々に押し寄せている。対策は急務だ。
 市制移行の人口要件である5万を確定させた2015年の国勢調査で、住民の平均年齢は40.9歳と初めて40代を記録した。平均46.7歳の県内でも、東北でも最も若いが、職員は「ついに40代かと庁内で話題になった」と振り返る。
 今年9月現在の人口は5万2587。年間1000人ほどの増加の伸びは鈍化が始まっている。16年策定の市人口ビジョンは、60年に6万人を目標とする。
 「住みたくなるまち日本一」のキャッチフレーズを掲げる若生市長は「人口の急増はもう望めない。市の発展をどう継続させていくかが大きな課題だ」と表情を引き締める。
 宮城大事業構想学群の佐々木秀之准教授(42)はこう指摘する。
 「市に余力があるうちに、富谷で生まれ育った若い世代が地域で暮らしていける仕組みを作れるかどうか。市の未来はここにかかっている」


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2017年10月07日土曜日


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