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外壁に塗って室温上昇抑制 塗装業者が新塗料開発

サンシェルを塗った板(右)と未塗装の板にライトを当て、表面温度の違いを確認する社員

 塗装工事業さんのう(仙台市)は、屋根や外壁に塗るだけで建物内部の室温上昇を抑える塗料「サンシェル」を開発した。既存の温度抑制塗料に比べ効果が大きいという。公共事業が縮小する中、機能性塗料市場は地球温暖化などへの対応から拡大が続き、同社はサンシェル販売を事業の柱に育てる方針だ。
 サンシェルは塗料の膜内に平均20ミクロンの大きさの特殊粒子を複数持つ。粒子中に無数の空気層があり、内部に熱を取り込むことで断熱する。さらに粒子が光を拡散反射するため、遮熱効果もある。
 同社の実験では、サンシェル未塗装と塗装済みのスレート板に赤外線ランプを照射すると、40分後に表面温度で20度の差が出た。夏場のエアコンの消費電力量換算で36%の削減につながり、電力料金や二酸化炭素排出も抑制できる。
 同社サンシェル事業部の渡辺良紀課長は「効果は10年間持続する。家屋だけでなく、空調の導入が難しい学校や体育館にも有効。夏場に高温になる公園の遊具やプールサイドでも効果を発揮する」と説明する。
 既存の温度抑制塗料は太陽光反射型の遮熱塗料が多く、サンシェルのように断熱機能もある塗料は珍しい。他社製品との比較では、同じ条件で3〜5度の温度上昇を抑えられた。
 さんのうは1978年創業。公共事業受注を中心に業績を伸ばしたが、バブル崩壊後は売り上げがピーク時の4割に減少。新たな収入源として機能性塗料に着目し、2012年から研究に乗りだした。
 研究、開発には東北大や仙台高専の研究者が協力した。費用の一部は東北経済連合会や科学技術振興機構の助成を受けた。塗料は今年3月に完成し、7月に販売を開始した。
 民間の調査会社の予測では、国内の機能性塗料市場は18年に約3100億円に成長する。このうち14%が遮熱塗料とされ、温暖化の進行や20年の東京五輪の関連施設建設で今後も需要増が見込まれるという。
 同社の16年の売上高は約2億円。サンシェル発売で5年後には10億円の上積みを目指す。海老沢恒美社長は「これからがスタートだ」と意気込む。


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2017年10月07日土曜日


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