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<一力七段 2タイトル戦に挑む>勝負の行方は?蘇耀国九段と秋山次郎九段が対談

天元戦の展望を語る秋山次郎九段(右)と蘇耀国九段

 囲碁の井山裕太6冠(28)=棋聖、本因坊、王座、天元、碁聖、十段=に仙台市出身の一力遼七段(20)がダブル挑戦する第43期天元戦と第65期王座戦が11日の天元戦第1局を皮切りに始まる。名人戦に挑戦中の井山6冠は、再び7冠同時制覇を目指しながらの防衛戦。一力七段は初の7大タイトル獲得が懸かる。第39期天元戦挑戦者の秋山次郎九段(39)と、両対局者と交流が深い蘇耀国九段(38)に勝負の行方を占ってもらった。

◎一力、自信が確信に/井山、まだ強くなる

 −天元戦の本戦を振り返って
 秋山 一力七段の他に許家元七段が準決勝、本木克弥八段と大西竜平二段が準々決勝と、若手が勝ち残った。
 蘇 若手の活躍でわれわれの世代が大変になった。その中で山下敬吾九段だけは若手に強く、今年の碁聖戦で挑戦者になった。
 秋山 天元戦の挑戦者決定戦は山下九段が押していたと思ったが、終盤で頑張りすぎて、逆転を許した。
 蘇 山下九段は勝ち碁を落とすタイプではないので、それだけ一力七段のプレッシャーがすごいのでしょうね。

 −一力七段の調子は?
 秋山 今年はすごく勝っている。負けたのは国際戦が多いが、そこで勝っていてもおかしくない実力をつけてきた。
 蘇 以前は早碁に強いイメージでしたが、5時間の棋聖戦Sリーグや3時間の天元戦と王座戦など、各棋戦で勝っています。
 秋山 以前は実利を意識した打ち方をしていたが、最近は四線、五線に打って、戦いを重視しているのかなと感じます。
 蘇 今夏に対戦したとき、これまで感じなかったオーラ、雰囲気があった。もともとあった自信が確信に変わったように感じた。

 −対する井山天元は?
 秋山 何事もなかったように勝って、再び7冠同時制覇を目指している。すごいとしか言いようがない。
 蘇 時間をかけて、われわれ世代に勝ち続け、トップまで上がってきた。近年いい勝負をしているのは、高尾紳路名人だけですね。
 秋山 常に新しい工夫の手が出てくるので、よく研究していると思う。まだまだ強くなっていくように感じる。
 蘇 とにかく勉強量がすごい。日本棋院のサイト「幽玄の間」でインターネット中継されている棋譜はすべてチェックしているし、時間が合えば研究会にも参加している。

 −見どころは?
 秋山 前期全4局は、序盤から激しい展開になって作り碁にならなかった。今期も同じような展開になるかと思う。
 蘇 昨年のタイトル戦の中でも、一番やり合っていた。スタートから互いに石を取っちゃうぞという感じで。そこですごいと思ったのは、井山天元が一力七段を力でねじ伏せたところです。
 秋山 両者は似ている部分がある。どちらもガンガンやっていくタイプなので力勝負になる。読みがしっかりしていてヨセも強いので、難解な終盤戦を見てみたい。
 蘇 一力七段は自分のペースで戦いたい。井山天元のいいところが出てしまうと無敵だから。

 秋山 技術的にはまだ井山天元の方が上だと思うけど、どちらが勝つかは分からない。3局で終わることはないでしょう。
 蘇 僕も技術的には井山天元だと思うけど、天元戦は若手がよく勝っている棋戦。一力七段はわれわれ世代と違い、井山天元への苦手意識はないでしょう。臆せず、思い切って戦える。
 秋山 一力七段が勝つにしても、フルセットになるかと思う。そろそろ若手が井山天元からタイトルを取ると面白いかなと。
 蘇 一力七段には勢いがある。ただ、王座戦とのどちらかで結果を出さないと次のチャンスが約束されないぐらい、一力七段の下の世代が迫ってきている。一力七段にとっても勝負の秋になりそうです。


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2017年10月07日土曜日


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