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<杜の都のチャレン人>香り立つ地域の魅力

イベントで商品の特色をアピールする内海さん(右)と姉の裕里江さん=仙台市青葉区の西公園

◎「お茶っこ飲み」の楽しさを発信する 内海康生さん(32)

 自慢の新商品をまず知ってもらおうと日々奔走する。手にするのは、紅茶風のパッケージに入ったフレーバー(香り)日本茶「OCHACCO(おちゃっこ)」。
 5月に仙台市若林区卸町で起業した。宮城県美里町の自宅に製造拠点を置き、商品開発とブレンドを手掛ける。企画と広報を担う姉裕里江さん(34)との二人三脚。常設店舗はまだなく、イベントへの出店、飲食店での委託販売、インターネット販売が軸になる。
 おちゃっこ第1弾の夏シリーズは4種類。静岡県産の緑茶に、東日本大震災の津波被害から復活した「気仙沼いちご」や、宮城県蔵王町の無農薬ミントを調合した。茶葉生産の北限とされる石巻市桃生町産の緑茶に、果実の香りを加えた品もある。「生産者の思いと地域固有の魅力を、日本茶に乗せて伝えていきたいのです」
 東京の大学を卒業後、フランスが本社の紅茶専門店に就職。30歳を迎え、「自分も地元で何かできないだろうか」との思いが募った。気仙沼市の実家は震災の津波で流され、家族は避難生活。思い浮かべたのは、「お茶っこ飲み」が盛んな古里の原風景だった。縁側ではご近所さんと井戸端会議、茶の間では、亡き祖母とみかんを食べながら相撲や野球のテレビ中継を見た。いつもそばに日本茶があった。
 地元に戻り、同じくUターンしていた裕里江さんと一緒に新事業を日本茶に決めた。「『お茶しよう』と誘うように人と人をつなぐ象徴。経験や知識も生かせます」
 世界中で自由に楽しまれる紅茶と比べ、日本茶は定型にとらわれがちにも映ったが、同時に伸びしろを感じた。世代に合わせておしゃれに親しむ提案をしながら、講習会を催す。レストランやアパレル、美容室、結婚式場といった異業種との連携も模索する。
 秋シリーズが近く登場。土地の旬を届ける四季のラインアップを1年かけて練り上げる。「お茶っこ飲みの喜びを宮城、東北から世界へと発信します」(志)

<うちうみ・やすなり>85年気仙沼市生まれ。杏林大外国語学部卒。17年2月起業家コンテスト「センダイ・フォー・スタートアップス!ビジネスグランプリ」奨励賞、オーディエンス賞。OCHACCO(仙台市若林区)代表。宮城県美里町在住。


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2017年10月07日土曜日


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