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<宮城知事・衆院W選>原発争点に住民の賛否交錯 活発な論争を期待

東北電力が2018年度後半以降の再稼働を目指す女川原発。立地自治体の住民が政策論争の行方を注視する

 小池百合子東京都知事が率いる希望の党が「原発ゼロ」を掲げ、原発再稼働問題が衆院選(10日公示、22日投開票)の一大争点として存在感を増している。同日選の宮城県知事選も、現職に挑む新人候補が原発対応を争点に推す。東北電力女川原発2号機が立地する同県女川町、石巻市の住民は二つの選挙をどう見ているのか。賛成と反対が交錯する地域の思いを探った。(石巻総局・鈴木拓也、関根梢)
 「再稼働は反対。いくら安全対策をしても100パーセント大丈夫とは言い切れない。将来を担う子どもたちを思うと、原発は早くやめた方がいい」。石巻市中心部でスポーツ店を営む松村善行さん(73)が訴える。
 松村さんは表立った反対活動はしないが、以前から原発に懐疑的な立場だ。その思いは東京電力福島第1原発事故の惨劇で一層強まった。「万が一、事故が起きればここで暮らせなくなる。住民はもっと敏感にならなければいけない」と警鐘を鳴らす。
 同市で原発を不安に思っているのは、松村さんだけではない。河北新報社が8月に実施した宮城県内の世論調査では、市内の回答者の78.6%が再稼働に「反対」「どちらかといえば反対」と答えた。
 一方、女川町は57.4%が賛成意見だった。原発が地元経済に与える効果が反映されたとみられ、町内の70代男性は「女川は東北電と共存共栄している。町に大きな企業はなく、撤退されれば町は寂れる」と説明する。
 東北電は2018年度後半以降の再稼働を目指す。再稼働には地元同意が必要で、世論調査で反対が約8割に上った石巻市は難しい対応を迫られる可能性が大きい。
 亀山紘市長は世論調査について「再稼働に否定的な人が意外に多かったと率直に感じた」と述べるにとどまる。再稼働への賛否は示さず「県と女川町と設置する有識者検討会の検証状況を踏まえ、安全性の向上などを確認する」と慎重なスタンスを取る。
 国や県の判断が市の方針に与える影響は大きい。衆院選、知事選のダブル選は原発を抱える地元にとって重要な意味を持つ。
 同市牡鹿地区の仮設住宅に住む男性漁師(55)は「原発はなければ困るし、あっても100パーセントの安全はない」と賛否を決めかねており、活発な政策論争に期待を寄せる。


2017年10月08日日曜日


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