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<マイナビ・挑戦の軌跡>(上)下地づくり 理想の戦い 対話で伝達

就任1年目でチームの意識改革を進めた越後監督(中央)。来季への手応えをつかんだ=2017年5月27日の長野戦、ユアスタ仙台

 サッカー女子、なでしこリーグのマイナビベガルタ仙台レディース(仙台)は今季リーグ戦の日程を終え、2季連続の4位だった。悲願の頂点には届かなかったが、就任1年目の越後監督が自主性や臨機応変な戦いを植え付けたことで、チームは来季に向けての手応えを感じている。今季を振り返る。(佐々木貴)

 仙台市のユアスタ仙台で7日行われた雨中の千葉戦。天候も対戦相手も開幕戦と同じになったリーグ戦最終節で仙台が意地を見せた。前半30分、開幕戦で決勝点を挙げたFW浜田が得点し、守備も粘って1−0で勝利。浜田は「いろんなことを勉強できた。もう少し点を取れる場面もあったので来季につなげたい」と話した。
 今季の仙台は、J1仙台ユースを指導した越後監督が新たに指揮を執り、タイトル獲得を目標に掲げた。だが、リーグ戦は9勝3分け6敗の勝ち点30で昨季と同じ4位。カップ戦は予選敗退した。
 越後監督が目指したのは「勝つサッカー」。ボールを保持しながらカウンターも狙い、相手との駆け引きの中で臨機応変な対応を求めた。「個々の引き出しの中から、瞬時に必要な要素を見つける。それがチームの戦い方になる」
 この方針が根付くには一定の時間を要した。18試合で覇を競うリーグ戦で優勝チームに許される黒星は少ない。3連覇の日テレは1敗。仙台は第6節までに2敗し、勝ち点を上乗せできず頂点が遠のいた。
 第4節ノジマステラ神奈川相模原戦は前半9分で2−0としながらドロー。第10節長野戦は1−0の後半ロスタイムに失点し、ドロー。主将のMF田原は「追加点が取れていれば、こういう展開にならなかった」と悔しがった。今季の総得点は21で、昨季の29から減少。決定力不足という課題は解消しなかったが、その中でチームは一歩ずつ成長した。
 越後監督は選手との対話を重視して技術、戦術を伝えてきた。例えば「相手にボールを回されると心理的に追い込まれる」という声には「ボールを回させていると思えば落ち着いてプレーができる」と助言。細かいところまで選手間の意識のすり合わせを重ねた。
 優勝の可能性が消えても、選手たちは次につながる戦いを意識して戦った。リーグ戦最終節までの3試合で今季2度目の3連勝。越後監督は就任1年目を「指導者になってこんなに考えさせられたのは久しぶりだが、監督(の就任要請)を受けて良かった。選手たちが形を理解し、多彩な攻撃をするための下地ができてきた」と振り返った。


2017年10月12日木曜日


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