広域のニュース

<衆院選 東北・経済人に聞く>論点(2)エネルギー 脱原発へ英知結集を

 さとう・やうえもん 東京農大短期醸造科を卒業後、喜多方市の大和川酒造店入社(現会長)。2013年8月に会津電力設立。全国ご当地エネルギー協会代表理事も務める。喜多方市出身。66歳。

◎会津電力(喜多方市)佐藤弥右衛門社長

 −東日本大震災後に再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)が導入され5年がたつ。
 「経済産業省は本年度の太陽光発電の事業者向け買い取り価格を21円とし、当初の半額近くに下げた。普及は半ばで、引き下げは早過ぎる印象だ。一方、設備投資コストは年々下がっており、もう一段の引き下げにも対応できると考えている」

 −FITの問題点は。
 「再生エネは電力会社が送電網への接続を認めなければ事業ができず、2年前には福島県内で2000キロワットの風力発電計画が頓挫している。東北電力は『送電網に空き容量がない』と説明するが、原発再稼働時の送電枠も含まれる容量の内訳をきちんと情報公開していない」
 「2020年に大手電力が送配電部門を分社化する『発送電分離』では、大手と新規参入事業者が公平な条件で利用できるようにしなければならない」

 −東北は大手による投資目的の再生エネが目立つ。
 「国が10月、2000キロワット以上の太陽光発電の買い取りに入札を導入したのも問題だ。安い価格を提示できる大企業が勝ち、中小事業者は駆逐される。大企業に利益を奪われる『植民地型』が加速してしまう」
 「東京電力福島第1原発事故を機に、当社は地産地消型の再生エネに取り組んでいる。市民や自治体、金融機関の協力を得て、現在は太陽光発電事業を約70カ所(約5000キロワット)で展開中だ。地域が主体になって地域でお金を回せば、経済効果は何倍にもなる」

 −政府は収束の見通しのつかない福島第1原発事故の状況を横目に、原発の再稼働を進めている。
 「電力供給面の心配がなくなった今、政府が再稼働にこだわるのは原発に多大な投資をしてきた大手電力の経営を守るためだ。脱原発ではアベノミクスも瓦解(がかい)すると言うのだろうが、日銀にまで株を買い支えさせる現状も、経済の好循環とは到底言えない」

 −衆院選では原発の是非が改めて問われる。
 「左だ、右だと言っている場合じゃない。原発事故を起こした日本は今すぐ脱原発を選択し、世界中の英知を集めて事故処理に取り組まなければならない」
 「少子高齢化が加速する中、水も食料も再生エネの適地もある地方は国のかたちを変える力がある。自治体が送電網を持ち、使用料で財源を確保するなど大胆な改革が必要。エネルギー政策こそ、もっとクローズアップされるべきだ」


2017年10月13日金曜日


先頭に戻る