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<衆院選宮城>選挙区ルポ(中)3区 惑う風 手探りの戦い 4区 人口増地域 主戦場に

 衆院選は22日の投開票まで9日に迫り、攻防は日増しに熱を帯びている。政権継続による安定を掲げる自民党の候補者に対し、野党再編で分裂した希望の党や立憲民主党、無所属の候補らは刷新を訴えて切り崩しに挑む。県内6小選挙区で繰り広げられる戦いの現場に迫った。(敬称略)

◎宮城3区

 「『安倍1強』を批判する党があるが、上っ面の話ばかり。地域を理解し、ビジョンを語らないといけない」。自民党前議員西村明宏は11日夜、岩沼市で演説会を開き、自信にあふれた表情を見せた。
 選挙区内の首長や地方議員と連動した分厚い組織力は、5選を目指す今回も健在。演説では国土交通・復興・内閣府副大臣時代の実績を強調し、新人候補との違いを際立たせる。
 警戒するのは楽観ムード。公示直前、前党総務会長細田博之は西村陣営を「完全に緩んでいる」と戒めた。西村はこの言葉をあえて公言し、引き締めを図る。
 「政権交代のチャンス。今までの政治をリセットする」。公示日の10日、名取市の仮設住宅で、希望の党新人一條芳弘は党のカラーと同じ緑のたすきを掛け、声を張り上げた。
 選挙初挑戦の元会社員とあって知名度は低い。戦いは新党の追い風を最大限に生かす形で始まった。
 一転して新聞各紙が党の伸び悩みを伝えた12日。一條は角田市の街頭演説で、小池百合子党代表が多用する「リセット」や「希望」の言葉を使わず、農家戸別所得補償の復活を訴えた。新党に対する風向きが定まらない中、手探りの選挙戦が続く。
 共産党新人吉田剛は改憲の議論に前向きな自民党と希望の党の双方を批判。12日、大河原町で個人演説会を開き「ぶれずに憲法と平和、暮らしを守る政治に転換する」と訴えた。

◇宮城3区立候補者
一條芳弘 44 ☆元衆院議員秘書 希 ◆ 新
吉田剛  35  党地区常任委員 共   新
西村明宏 57 ☆元国交副大臣  自(細)前(4)(公・日推)
〔注〕☆は比例代表との重複立候補者。◆は解散時民進党公認の立候補者

◎宮城4区

 公示日翌日の11日、3陣営の選挙カーが富谷市に集中した。住宅団地に訴えがこだまする。
 自民党前議員の伊藤信太郎は早朝、同市明石台の交差点に立った。通勤通学の住民に手を振った後、市内のベッドタウンを縫うように選挙カーを走らせる。
 「確かな実行力で地域の声を国政で実現する」。あえて街頭に立たず、市内をくまなく回った。無党派層に広く浸透を図る作戦だ。
 宮城4区全域で優位に選挙戦を進めるが、陣営は緩みを警戒する。2009年の衆院選で9万を超えた得票数は12年に約8万に落ち、14年は6万台まで減った。「1票が重い戦いだ」。選対本部長の県議藤倉知格は表情を引き締める。
 区割り改定で松島、大郷両町が5区に編入された。各陣営にとって、人口増地域で町から市に昇格した富谷市が「主戦場」の一つとなる。
 「希望の党が政治を変える」。希望新人坂東毅彦は11日午前、同市の大型店前に立った。「介護現場の実情を国に伝えたい」と、医師として医療福祉行政に携わった経験を前面に打ち出す。知名度不足を補うには都市部でいかに名前と顔を売り込むかが鍵だ。
 10日の第一声で、選対本部長としてマイクを握ったのは、元富谷町議の斉藤きえ子。町長選と県議選に出馬した経験があり、富谷重視の布陣に加わった。斉藤は「選挙区には人口増加地域がある。声掛けしてもらい、一票一票を積み上げよう」と呼び掛けた。
 共産党新人高村直也も同市の街頭に立ち「憲法9条を破壊する安倍政権に審判を下そう」と訴えた。(敬称略)

◇宮城4区立候補者
伊藤信太郎 64 ☆元外務副大臣 自(麻)前(5)(公・日推)
坂東毅彦  58 ☆医師     希 ◆ 新
高村直也  34  党県常任委員 共   新
〔注〕☆は比例代表との重複立候補者。◆は解散時民進党公認の立候補者


2017年10月14日土曜日


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