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<避難指示解除半年>来春再開予定の学校 就学促進へ魅力アピール 少人数生かし教育充実

体験入学で音楽に合わせて一緒に踊る福島県飯舘村の小中学生=9月28日、福島市

 子どもたちのにぎやかな声が戻るかどうか−。東京電力福島第1原発事故に伴う避難指示が福島県内4町村で解除されて半年。地元で来春再開予定の学校に通う児童生徒は、現状では少ない見通しだ。教育現場は体験入学など学校の魅力を伝える取り組みに乗り出している。

<ダンスを指導>
 体育館に人気グループ「EXILE(エグザイル)」の音楽が流れる。中学生たちがグループに分かれ、全身を使ったダンスを小学生たちに指導する。
 福島県飯舘村の飯舘中。福島市の仮設校舎で9月28日、飯舘小6年生20人を対象に体験入学があった。恒例の催しだが、例年は英語の授業を受けてもらう程度。ダンスは初の試みだ。
 学校行事や授業は生徒会がクイズ形式で紹介。会長の女子生徒は「飯舘中はフレンドリーで優しい。心配しないで」と呼び掛けた。
 飯舘小は現在、隣接する川俣町の仮設校舎を利用する。一部を除く避難指示解除から1年となる来春、村は飯舘中とともに村内で授業を再開する方針だ。
 村教委が中学2年以下の保護者に就学意向を聞いたところ、「就学しない」が回答の77.9%に上った。「就学する」は12.7%だった。

<不安の解消を>
 一部を除く避難指示解除から半年を迎えた県内の他地域も同様。富岡町は「戻れない」が86.8%、浪江町は「通学させる考えはない」が95.2%に達した。
 放射線に対する根強い不安や避難先での暮らし定着などが背景にあり、各自治体は個々の選択を尊重。富岡町と浪江町はそれぞれ避難先の二本松市、三春町でも授業を続ける。
 再開する地元の学校については「少人数教育」といった特色を出して子どもたちを受け入れる方針。富岡町の石井賢一教育長は「住民との交流を活発にして少人数の不安を解消したい。町で学ばせたいという保護者の思いに応えていく」と強調する。

<長期的視点で>
 山木屋地区に小中一貫校を来春開校する川俣町の佐久間裕晴教育長は「不登校の子どもたちの受け皿にもなるよう、長期的な視点で学校運営を考えたい」と語る。
 飯舘村は現在、校舎改修や教育・スポーツ関連施設の整備を進める。「放課後塾」を飯舘中で始めるなど、教育プログラムの充実も目指す。
 「まずは子どもたちが『飯舘中に行きたい』と思ってくれるようになるかどうか。他校と同じでは希望者は増えない」。笑顔で踊る子どもたちを見詰め、佐々木徹教頭は力を込める。


2017年10月14日土曜日


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