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<避難指示解除半年>帰還者は高齢者が中心 介護や生活環境整備急務

 東京電力福島第1原発事故に伴う避難指示が今春、福島県富岡町など県内4町村で、帰還困難区域を除きほぼ一斉に解除されて半年が経過した。帰還・転入者は住民登録者3万人余の4.3%の1323人にとどまる。いずれの町村も高齢者が多く、暮らしを支える環境整備などが急務となっている。

 避難指示は今年3月31日に浪江町、飯舘村、川俣町山木屋地区、翌4月1日に富岡町で解除された。
 8月末または9月1日現在の帰還・転入者は表の通り。帰還率は町内に避難していた住民が多かった川俣町山木屋地区が2割を超えたが、富岡、浪江両町はわずか2%台だ。
 年代別に見ると、65歳以上の割合が川俣町山木屋地区66.1%、富岡町39.6%に達し、帰還したのは高齢者が目立つ。他の2町村は年齢構成の分け方が10歳刻みで、60歳以上が飯舘村75.6%、浪江町55.0%となっている。
 地元自治体は若い世代の帰還促進とともに、高齢者が安心に暮らせる環境の必要性を唱える。買い物や医療環境の回復に加え、介護施設の再開が欠かせない。
 県によると、4町村など解除済みを含む避難区域にあった特別養護老人ホームと介護老人保健施設の計11施設のうち、地元で再開したのは3施設しかない。浪江町の特養ホームのように、いわき市など避難先に移ったままの施設もある。
 浪江町介護福祉課の佐藤祐一課長は「帰還者が少ないため利用が見込みにくいということもあり、赤字覚悟で再開してもらうのは難しい。どう支援するかが重要だ」と指摘する。
 職員の確保も大きな課題だ。飯舘村では特養ホームの職員不足が顕在化しており、村復興対策課の中川喜昭課長は「デイサービスなど通所や訪問型の事業は十分に対応できず、村外の施設に協力を依頼する方向で考えている」と語る。
 今後、高齢の帰還者が増えれば要介護者の受け入れ施設不足が深刻化する恐れがある。県高齢福祉課の担当者は「国の支援も得ながら職員確保などに取り組みたい。介護予防にも力を入れる」と説明する。


2017年10月14日土曜日


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