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<南三陸町長選・町議選>17日告示、産業担い手どう確保 甚大な津波被害で若い世代流出

稲刈りをした田んぼで農作業を手伝う学生ら

 宮城県南三陸町長選・町議選(22日投開票)が17日、告示される。東日本大震災で甚大な被害を受けた町は若い世代が流出し、少子高齢化が加速。産業の担い手不足は慢性化している。交流人口を増やして町の復興につなげる道をどう描くか。新しいリーダーの手腕が問われる。

<「92歳で班長」>
 「92歳で班長やんねばなんね」。町最大の災害公営住宅、志津川東復興住宅(265戸)に1人で暮らす女性(86)が嘆く。自治会は住民の世話をする各階の班長を1号室から順番に毎年交代させる。女性は6年後に役目が回ってくる。
 居住者の半数が65歳以上の高齢者。住民主体のコミュニティー再生が課題だが、女性は「少ない年金から死ぬまで家賃を払わないといけない。自分のことで精いっぱい」と語る。

<40年には8000人>
 2015年の国勢調査によると町の人口は1万2370で、10年から3割減った。今年8月末現在の高齢化率は34.7%と10年3月末に比べて5ポイント上昇。町は40年には人口が8000まで落ち込むと推計する。
 特に生産年齢人口の流出が顕著で、町を含む気仙沼・本吉地区の8月の求人倍率は1.7と10年度の平均(0.5)から大幅にアップした。
 同町志津川の水産加工会社は今年、再起を懸けて工場を建設。外国人研修生の補充や独身寮の整備で従業員確保に努めたが、同社社長(56)は「将来的に働き手が減るのは明らか」とみる。新工場は9億円をかけ、人の手が要らない機械化を進めた。

<学生が農作業>
 一方、震災をきっかけに新しい交流が生まれ、地域の担い手として活躍するケースも増えてきた。稲刈り最盛期の10月上旬、大正大(東京)の学生7人が同町入谷の田んぼで農作業に汗を流した。
 震災直後から町で復興支援の活動を続ける同大。地域創生学部の1年生21人が町で40日間、水産加工場の研修や農家の手伝いで町民と交流し、地域課題の解決策を探る。
 町でのボランティアや研修を企画・運営する一般社団法人「南三陸研修センター」はこの1年、過去最高の約3000人の学生を受け入れた。遠藤健治代表理事(69)は「彼らは町にとって貴重な『人財』。震災への関心が薄れる中、環境や自然といった町の特色を打ち出し、交流人口の拡大につなげなければならない」と話す。


2017年10月15日日曜日


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