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<311次世代塾>災害犠牲を教訓に 学生ら大川小など視察

大津波に襲われた石巻市大川小で佐藤さんの話に耳を傾ける受講生

 東日本大震災の伝承と防災啓発の担い手育成を目指し、河北新報社などが企画した「311『伝える/備える』次世代塾」の第9回講座が14日、宮城県石巻市であった。大学生ら受講生約60人が同市大川小などを視察。遺族らの話を聴いて災害犠牲の重みと向き合い、当時の出来事を教訓とすることを学んだ。
 児童74人と教職員10人の計84人が死亡・行方不明になった大川小で、6年生だった次女=当時(12)=を亡くした佐藤敏郎さん(54)は「絶対忘れられない、忘れてはいけない光景」と遺体発見現場の様子を振り返った。
 震災前の楽しげな学校の日常も紹介しつつ、「亡くなった子どもたち、先生の思いに向き合わないと死が無駄になる」と語った。
 被災者の心のケアに当たる「からころステーション」も訪問。理事の精神科医宮城秀晃さん(63)は、震災後の環境変化でアルコールなどに依存する人や孤立感、孤独感を募らせる人が増えていることに懸念を示し「心のケアは今後ますます大事になる」と述べた。 東北福祉大3年下山聖奈さん(20)は「震災の風化が進まないよう、今回現場で見て聞いたことを広く伝えたい」と話した。
 次世代塾は河北新報社、東北福祉大、仙台市を中心とする311次世代塾推進協議会の主催。年15回の講座のうち3回を被災地視察に充てている。

◎金沢からも5人が参加 津波の痕跡に衝撃

 石巻市で14日にあった「311『伝える/備える』次世代塾」には、金沢市を拠点に活動する学生団体「地域学生メディアつづみ」の5人が特別参加した。
 メンバーの多くが初めて震災の被災地を訪れた。金沢大1年千葉燦太(さんた)さん(20)は津波の痕跡が残る石巻市大川小に衝撃を受けた様子。「犠牲になった子どもたち、先生たちはさぞ悔しかったと思う。同じことを二度と繰り返してはならない」と誓った。
 金沢美術工芸大3年の古山千穂さん(21)は「心の問題を抱える被災者が多いと知り、サポートの必要性を強く感じた」と語った。
 学生らは、北陸中日新聞(金沢市)の若者向け紙面「popress(ポプレス)」の担当記者の呼び掛けに応じて参加した。後日、同紙で特集するという。


2017年10月15日日曜日


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