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<里浜写景>津波振り払う古里の守り神 巨大獅子

大船渡に寄港した飛鳥IIと綾里大権現。巨大獅子の迫力の舞に、乗船客も圧倒された様子だった
巨大獅子舞が大型客船を歓迎=大船渡港の野々田ふ頭

 「郷土芸能で迎えてくれる港は結構あるけど…」と豪華客船「飛鳥II」の増山正己船長(55)。熱烈歓迎には慣れていても、巨大獅子には驚いた。
 大船渡港に接岸した飛鳥IIにかみつきそうな勢い。全高7メートル、口を開けば楽に10人ぐらいはのみ込めそうだ。ショベルカーで巨体を支え、操縦歴20年以上のベテランが自在に動かす。
 獅子の名前は「綾里(りょうり)大権現」。地元の大船渡市三陸町には20もの獅子舞グループがあり、その多くが獅子を「権現様」と呼び習わす。
 「三陸の沿岸は繰り返し大津波に見舞われた。人の力をはるかに超える獅子を造って神仏の化身としてあがめ、自然の脅威から守ってくれるよう祈ったのでしょう」と綾里大権現保存会の熊谷常孝会長(80)。
 飛鳥IIが出航する日。津波には強面(こわもて)の三陸の守護神も、優しげな顔つきで船旅の無事を祈った。
文と写真 写真部・及川智子

[メモ]綾里大権現保存会による巨大な獅子は、地域おこしを目的として1991年に製作された。キリで作ってみこしに乗せたが、「もっと動きやすくしたい」という声が出て、96年に作り直して軽量化した。今の獅子はその「2代目」になる。


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2017年10月15日日曜日


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