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<衆院選東北>空虚な経済指標 踊る 消費税論争、揺らぐ財源

行き交う人々に向かい、演説する候補者。戦後2番目に長い「いざなぎ景気」を超えたとされる好況の実感は地域に届いていない=仙台市青葉区

 空虚な経済指標が踊り、社会保障の礎となる財源は揺らぎ続ける。

◎税制・景気 争点を歩く

<対立軸描けず>
 「国民に好景気の実感はない。消費税を上げれば、個人消費はまた冷え込む」。希望の党代表小池百合子は11日、宮城1区の新人候補応援のため、JR仙台駅西口に立った。真っ先に口にしたのが、消費税の増税凍結だった。
 憲法改正などで与党と明確な対立軸を描けない希望にとって、増税凍結は原発ゼロと並ぶ目玉政策だ。小池は熱っぽく訴えたが急ごしらえの印象は拭えず、聴衆の反応は鈍かった。
 首相安倍晋三は少子高齢化を国難と位置付け、消費税増税に伴う増収分を幼児教育などの無償化に振り向けると表明した。「税こそ民主主義」と言いながら、国会審議を経ず、選挙戦に打って出た。
 公示日の10日、仙台駅東口で宮城2区の自民前議員と街頭演説に臨んだ安倍は「消費税引き上げ分の使い道を子どもたちへの投資に変える。子どもの未来を切り開く」と「大義」を説き、名目の国内総生産(GDP)50兆円増などアベノミクスの果実を強調した。
 安倍政権は14年衆院選、16年参院選で経済政策の継続を訴え、勝利を重ねた。金看板を掲げた3回目の国政選だが、今も中小企業の賃金は上がらず、個人消費は漸減傾向に直面する。
 10日に仙台市青葉区であった宮城1区に挑む立憲民主党新人の第一声。党代表の枝野幸男はアベノミクスをやり玉に挙げ、「偏った経済政策で中間層は崩れ、希望が持てない社会になった」と切り捨てた。

<3党合意ほご>
 景気が実感できない地方の足元では、自民候補が守勢を強いられる。
 「残念ながらアベノミクスは『やって良かった』と感じてもらえていない。だがもう少しだ」。秋田3区の自民前議員御法川信英(53)は、大仙市で6日に開いた事務所開きで支持者をなだめるように語った。
 対する希望の前議員村岡敏英(57)は7日、湯沢市の総決起大会で「金融緩和で大企業の収益は上がったが、秋田に経済効果があったとは思えない」と政権を攻め立てた。
 村岡の応援に駆け付けたのは前首相野田佳彦。12年当時、旧民主、自民、公明3党で、消費税率の引き上げによる財政健全化と社会保障の安定を目指す「社会保障と税の一体改革」の合意にこぎ着けた張本人だ。
 前回に続く消費税の争点化で、3党合意は崩れ落ちた。野田は当時の交渉相手で、引退した前自民総裁の谷垣禎一の名前を挙げ、いら立ちをあらわにした。
 「消費税を政争の具にしないことが3党合意の精神だった。谷垣さんが泣く」
 共産新人の冨岡昭(67)は消費税増税の中止などを訴える。(敬称略)


2017年10月15日日曜日


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