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<衆院選東北>復興議論 影潜める 被災地に置き去り感

被災した宮城県南三陸町で街頭演説を聞く有権者ら。各党は公約で復興政策に触れるが、優先順位が後退した印象は否めない

 東日本大震災から6年7カ月で迎えた衆院選は、復興の在り方を問う議論が影を潜める。各党は公約で復興政策に触れるが、「3極対決」「消費税増税」「憲法改正」などの争点にかき消されているのが実情だ。「復興加速」が最大課題である被災した有権者にとって選択肢が見えづらく、戸惑いは深まるばかりだ。
 公示日の10日と翌11日、「3極」の党首級が東北でマイクを握った。
 10日は安倍晋三首相(自民党総裁)と立憲民主党の枝野幸男代表、日本のこころの中野正志代表、11日は希望の党の小池百合子代表。それぞれ復興に少なからず触れたが、時間を割いたのは消費税増税、「安倍政治」の是非などだった。
 津波で自宅を失い、仙台市若林区の集団移転団地に住む主婦庄子智香子さん(64)は「復興が一段落したかに見えてもコミュニティー再生といった課題は多い。孤独死など現実は厳しい」と言う。国の在り方を巡る議論は大事だが、置き去り感は拭えない。
 各党が公約に掲げる主な復興政策は表の通り。
 自民は与党として復興を進めてきた実績を背景に、「完遂」の意気込みを強調する。ただ、復興政策は公約6本柱の一つ「地方創生」の一部。メインは消費税増税の使途変更や北朝鮮情勢への対応だ。連立を組む公明は「観光先進地・東北の実現」を挙げる。
 希望、立民はともに「原発ゼロ」が柱だが、復興の在り方に関し、希望は政策集巻末の約80項目の一つとして「復興特区の有効活用などに最優先で取り組む」と記すにとどまる。立民は「震災は原点」「地域の声に応える」とするが、公約の5本柱に入っていない。
 震災後初の国政選挙となった2012年の衆院選は、復興政策が各党の目玉公約だった。震災後5度目の国政選の今回、各党とも後退した感は否めない。
 「国難」を大義に解散・総選挙に踏み切った安倍首相率いる与党に対し、野党は再編を巡る混乱で政策を公表したのは公示直前だった。希望が「3都物語」と称し東京、愛知、大阪の大都市連携に軸足を置こうとする姿勢も、被災地には地方軽視のように映る。
 原発事故の避難区域に指定された福島県浪江町から会津若松市に避難する無職鈴木宏孝さん(78)は「各党の被災地目線のなさには言葉もない。今なお古里に帰れない人がいる福島を忘れたか」と嘆く。
 「永田町の同窓会長選挙のような争いだ」と閉口するのは大船渡市の水産加工会社社長八木健一郎さん(40)。「水産をはじめ世界に通用する産業を築くべき今、政策がどの政党からも示されない」と憤る。


2017年10月15日日曜日


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