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<宮城知事・衆院W選>選挙期間中、候補に手紙 責任感育む

知事選と衆院選の仕組みを説明する坂元教諭(左)。生徒の代表が立候補者に宛てた手紙も朗読した=6日、大崎市の古川学園高

 どうすれば生徒の関心を選挙に向けられるか。たどり着いた妙案は、立候補者に自分の声をつづる「手紙」だった。

◎18歳選挙権の現場から

<投票の基準に>
 宮城県大崎市の古川学園高の坂元真樹教諭(43)は「相手を意識して意見を書くことで考えが明確になり、有権者としての責任も生まれる」と狙いを説明する。
 今年6月に傍聴した県議会の質疑や生徒の希望を基に、東日本大震災からの復興、原発政策、福祉課題、私学助成の四つにテーマを絞った。一つを選び、「将来、県や国に望むこと」と題し、生徒が思い思いに筆を執った。
 知事選(22日投開票)が告示された翌日の6日、政治・経済の授業で、3年生の数人が書き上げた手紙をクラスメートに披露した。
 ある女子生徒は原発をテーマにした。原子力が人々の暮らしを豊かにしてきたことを認めつつ、「震災後、原発事故のために多くの人がつらい思いをしている。再稼働させないことが政治家の大きな仕事ではないか」と持論を投げ掛けた。
 同居する祖父が寝たきりになったという別の女子生徒は福祉問題を取り上げた。近隣に介護施設がなく、遠くまで通所を余儀なくされている。「都市部と地方で福祉サービスの差をなくしてほしい。若者も地域にとどまりやすくなる」と実情を踏まえて切望した。
 いくつかの手紙は、実際に知事選と県内の衆院選候補者に送付した。介護職員の待遇改善を手紙で訴えた村上ひなたさん(18)は「自分が政治に何を求めているか考えるきっかけになった。投票の判断基準にしたい」と話した。

<政策巡り議論>
 仙台青葉学院短大(仙台市若林区)ビジネスキャリア学科は先月末、1、2年生計143人に対し、選挙に関するアンケートを実施した。投票参加に積極的でない学生は全体の約60%に上った。
 衆院選(22日投開票)が公示された10日にあった1年生66人の授業で、丸山和幸教授(57)は調査結果についてグループごとに自由討議する時間を設けた。
 学生からは「立候補者の公約で違いが分かりにくい」「党のイメージしか判断基準が浮かばない」など、情報発信に工夫を求める意見が相次いだ。一方で、「防衛費を増やすべきだ」「財源はどうするの?」といった具体的な政策を巡る議論も少しずつ出始めた。
 石塚優さん(19)=青葉区=は「周りと話すことで興味が増した。もっと情報に触れたい」と意欲を示した。丸山教授は「無関心に見えて学生は自分の考えを持っている。投票という行為で表現してほしい」と期待を寄せる。


2017年10月16日月曜日


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