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<衆院選福島>避難区域含む5区 遠征して?それとも電話で?分かれる選挙区外戦略

選挙区外の仮設住宅を訪れ、支持を訴える候補者=12日、白河市

 衆院選(22日投開票)で、東京電力福島第1原発事故の避難区域を含む福島5区の各候補者の遊説戦略が、選挙区外にも出向くかどうかで分かれている。地元・双葉郡の避難指示解除が徐々に進み、選挙区外の仮設住宅に暮らす住民が減少。有権者の住居が、3年前の衆院選時から一段と多様化していることが背景にある。
 「長い年月、ご苦労を掛けている。やっとトンネルの先の光が見える状態まで持ってくることができた」
 公示3日目の12日、福島県双葉町民が暮らす白河市のプレハブ仮設住宅。自民党前議員の吉野正芳氏(69)は、町の帰還困難区域に設ける特定復興再生拠点区域の整備計画を認定した実績などを訴えた。
 集まったのは約30人。仮設住宅のほか、市内に完成した災害公営住宅に移った町民もいた。吉野氏は翌日は郡山市などを遊説。16日にさらに1回の遠征を計画する。
 5区の4陣営で本格的な遊説を選挙区外で行うのは今のところ吉野氏のみ。全3陣営が中通りなどを回った前回から様変わりした。
 前回時は双葉郡8町村のうち、全域避難中が6町村だったが、現在は大熊、双葉両町のみ。避難指示が解除された地域を回り、帰還した住民に訴える時間が増えた。ある陣営は「急な解散で、移動に時間をかけて遠くに出掛る余裕がない」と打ち明ける。
 避難先で住宅を確保する世帯が増え、避難者は分散。選挙区外のプレハブ仮設に住む双葉郡の住民は約1600人と、前回の約2割に減った。災害公営住宅への入居が始まったが、陣営関係者は「効果的に声を届けるのは難しい」と漏らす。
 吉野氏の陣営は「復興相として最後の一人まで支援すると言っており、被災者の多少にかかわらず出掛ける」と説明する。
 選挙区外に避難する有権者への訴えについて、希望の党前議員の吉田泉氏(68)の陣営は「双葉郡の支援者の力も借りて電話などで一人一人に訴え、票を取り込みたい」と話す。
 共産党新人の熊谷智氏(37)の陣営は「公示前に候補者は選挙区外も回り、政策を訴えた。避難する地方議員らを通じた働き掛けも行っている」と語る。
 社民党新人の遠藤陽子氏(67)の陣営は「いわき市内の仮設住宅や災害公営住宅などに暮らす避難者は多く、市内を回って政見を伝えている」と言う。


2017年10月16日月曜日


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