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<衆院選福島>風評被害の果樹園、旧避難区域…1区で原発事故からの復興巡り論戦白熱

福島1区で一騎打ちの論戦を続ける2人の候補。公示日には選挙カーが交錯した=10日、伊達市

 衆院選(22日投開票)で福島1区は、前議員2人が東京電力福島第1原発事故からの復興を巡り、それぞれの立場から論戦を交わしている。選挙区は中通りと浜通りで、有権者は福島県内最多の約41万人。都市部や風評被害を受けた果樹園、旧避難区域があり、地域性や復興状況は異なる。候補者の主張と同様、有権者や支持者の反応もそれぞれだ。
 1区には自民前議員の亀岡偉民氏(62)と、民進系無所属前議員(比例東北)の金子恵美氏(52)が立候補している。
 亀岡氏は「復興五輪の成功を」と訴える。2020年東京五輪の野球・ソフトボール競技の一部福島市開催決定に奔走したことを実績としてアピールする。
 県産品の風評被害にも言及。「世界の人に復興の姿を見て、おいしいものを食べてもらう。福島での五輪成功が何よりの風評払拭(ふっしょく)になる」。福島市での10日の第一声などで、こうした主張を続けてきた。
 金子氏は亀岡氏をけん制する。伊達市内の10日の演説で「五輪で原発事故をなかったことにはできない」と声を張り上げた。
 原発事故後の対応では一部野党も主張する東電福島第2原発(富岡町、楢葉町)の廃炉実現を叫ぶ。民進党が今年3月に国会提出した廃炉法案は廃案にされたとして「東電に決断させるのが国の責任だが、自民にはできない」と批判する。
 選挙区内の事情はさまざまだ。福島市など中通り北部は果樹やコメなど風評被害の影響が残り、価格は完全には事故前水準に戻っていない。
 浜通りの南相馬市小高区とやや内陸の飯舘村、川俣町などの避難指示は一部を除いて段階的に解除されたが、旧避難区域の帰還率(10月1日まで)は南相馬市26.9%、飯舘村9.0%という状況。買い物や医療といった生活環境の整備が求められている。
 復興の現状に関する両候補の発言は、置かれる立場を反映する。亀岡氏は安倍政権の主張に合わせるように「復興は着実に進んでいる」と語り、金子氏は「復興は道半ば」と繰り返す。
 2人の訴えを有権者はどう受け止めるのか。「復興はまだまだと思うが、道路整備など今後も期待したい」と、亀岡氏の演説を聞いた福島市の主婦(66)。金子氏の主張に耳を傾けた南相馬市の無職男性(75)は「県内原発の全基廃炉の先にある産業復興策も語ってほしい」と、選挙戦終盤のさらなる論戦を求めた。


2017年10月16日月曜日


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