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<宮城知事選>原発再稼動計画 論争低調、かみ合わず 

東北電力女川原発で建設中の防潮堤。低調な論戦を横目に、再稼働に向けた安全対策工事が着々と進む

 知事選(22日投開票)で、東北電力女川原発(女川町、石巻市)の再稼働計画に反対する新人候補と、言及を控える現職候補の論争が、選挙戦終盤に入ってもかみ合わずにいる。東北電が再稼働を目指すのは2018年度後半以降で、改選後の知事が是非の判断を求められる可能性が高い。再稼働や地元同意の範囲で賛否が拮抗(きっこう)する県内の首長も、神経をとがらせる。
 「相手の選挙公報には女川の『お』も原発の『げ』の字もない。事実上、再稼働容認ということだ」
 無所属新人の多々良哲候補(59)=共産推薦=は13日、仙台市青葉区のアエル前で街頭演説に立ち、4選を目指す無所属現職の村井嘉浩候補(57)の選挙公報をやり玉に挙げた。
 女川原発2号機は、原子力規制委員会による新規制基準への適合性審査が終盤に差し掛かっている。審査が終われば、新知事は再稼働の判断を迫られる。多々良候補は「知事の最も大切な責任は県民の命と暮らしを守ることだ」と同意しない考えを強調した。
 一方、村井候補は16日に選挙戦で初めて立地自治体の女川町に入った。「水産業を目玉に観光客を増やしたい」と訴えたが、遊説中も含めて女川原発に触れることはなかった。石巻市に移動後、立ち寄った東北電石巻営業所では従業員約50人の出迎えを受けた。
 「現時点で再稼働の是非を言うだけの判断材料がそろっていない」と告示前に予防線を張り、相手の主張とは一線を画す村井候補。当選後の対応についても「(再稼働を)争点にしていないので選挙結果だけでは全てを判断できない」と慎重なスタンスを貫く。
 河北新報社が実施した県内35市町村長へのアンケートでは、女川原発再稼働の賛否はほぼ二分された。再稼働に必要な地元同意の範囲は、村井候補が念頭に置く「県と立地する女川町、石巻市」が適切だとの回答は2割にとどまった。
 原発再稼働の進め方や事故時の避難対策に異論や不安が依然多く、論戦が低調なままでは新知事に再稼働判断が「白紙委任」となりかねない。ある首長は「電気料金や原発事故は県内全ての自治体に影響が及ぶ」と論戦に期待する。


2017年10月18日水曜日


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