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<主砲の一ゲキ 山崎武司>鍵握る初戦/劣勢覚悟も番狂わせを

山崎武司氏

 過去10年のパ・リーグCSファーストステージで第1戦を落としたチームは全て敗退しているというのに、よく西武を倒してファイナルステージへと勝ち上がった。
 第1戦で菊池(岩手・花巻東高出)にこてんぱんにやられたのはある程度想定内だっただろう。もう負けられない状況で巻き返せたのは、第2戦先発岸の踏ん張りに尽きる。本当に「岸さまさま」と言いたいくらいに流れを変えた。あれで西武は第3戦を落とすとまずいという雰囲気になったし、逆にこちらは自信をつかんだ。第3戦の美馬もさすが2013年の日本シリーズでMVPに輝いただけあって、大舞台での強さを見せてくれた。
 梨田監督の采配では、よそ行きの野球をしなかったことが一番良かったと思う。第2、3戦とも勝ちパターンの福山や松井裕を起用して、いつも通りの逃げ切りの形に持ち込んだ。左腕高梨もここにきて安定感が増している。

 勢いに乗って福岡へ乗り込むのはいいが、ソフトバンクの牙城はそう簡単に崩せない。相手は全て本拠地で戦える上に1勝のアドバンテージがあり、しかも先発はエースから使える。
 逆にこちらは則本、岸、美馬の3本柱を使ってしまったから、先発陣がローテーションの4番手以降、いわゆる「裏ローテ」から戦わなくてはいけない。初戦は2分8分の劣勢から始まると見た方がいい。そこに勝って3分7分、第2戦で連勝してやっと4分6分くらいになる。それほど敵地でのファイナルステージは厳しい戦いだ。
 初めて2位になった09年、日本ハムと第2ステージ(現ファイナルステージ)を戦った。第1ステージは岩隈(米マリナーズ)、田中(米ヤンキース)の連続完投勝利で勢いに乗って北海道に乗り込んだが、第1戦は逆転満塁サヨナラ弾でまさかの敗戦。完全に勢いを失って結局1勝4敗で終わった。

 だからこそ思うけれど、第1戦は本当に重要になる。何かのミラクルが起きるような勝ち方をしてまず1勝1敗にすることだ。それ以降も第2戦から中4日先発で則本、岸、美馬を使うくらいのことをして畳み掛けてほしい。その意味ではファーストステージ第1戦、負け試合で少し則本に球数を投げさせ過ぎたのが不安材料ではある。
 ともかく日本シリーズ進出を懸けた大舞台だ。日本一になった13年のときのような強さを見せ、大いに番狂わせを演じてほしい。(元東北楽天選手)


2017年10月18日水曜日


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