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<衆院選東北>激戦区ルポ(3)岩手1区 希望合流、説明に苦慮

岩手1区の個人演説会で気勢を上げる支持者=16日、盛岡市

 22日投開票の衆院選は後半戦に突入した。東北の23小選挙区では政権維持を掲げる自民党が優位に戦いを展開。野党系候補は懸命に追い上げを急ぎ、共闘が成立した選挙区では激しい競り合いを繰り広げる。東北6県の攻防に迫った。

◎激流劇流
 岩手1区の大票田盛岡市で16日午後6時半、希望の党前議員階猛の大演説会が始まった。会場に詰め込んだ支持者は700人。
 「誰もが社会を支えるALL FOR ALLの未来をつくる」。突如として階が読み上げ始めたのは「解党」したはずの民進党の公約だった。
 「仲間のことを考えれば、他に選択肢はなかった」と階。決意表明というより釈明のようだった。
 会場には社民党関係者の姿もあった。民進党との共闘は、希望の党への合流で破棄された。怒りは収まらないが「白票を入れても得をするのは自民党か…」。「階、劣勢」が伝えられた序盤情勢。少しずつ現実を直視し始めた。

<票減らすだけ>
 階にとってより困難なのは、無党派に近い支持者の説得だ。14日の土曜日、選挙カーは盛岡市内を流した。街頭演説を始めると、薬局を営む老夫婦が飛び出してきた。「合流の理由を本人の口から聞きたい」
 だが階本人はこの日、岡山県の仲間の応援に行き、地元を留守にしていた。代理でマイクを握った系列市議だが「理由は本人にしか説明できない」とほぞをかむ。階がいないと分かって老夫婦は立ち去った。
 公示後、希望の党代表の小池百合子と民進党代表の前原誠司が相次いで応援に駆け付けた。「頼んでもいないのに。票を減らすだけだと分からんのか」。陣営幹部が苦虫をかみつぶす。
 「改革保守」を掲げて自民党の懐に手を突っ込もうというのが小池の基本戦略だ。選挙のたびに無党派層が右へ左へ大きく振れる首都圏では成り立つかもしれないが「草の根保守」の息づく地方ではどうか。

<無党派手応え>
 黒船襲来に岩手の自民党は、かえって固まった。
 「この21年間で最大のチャンス」。前議員高橋比奈子が17日夜の総決起大会で声を張り上げた。自民党は1996年の小選挙区制導入以来、1区で議席を得たことがない。「相手のエラーで塁は埋まった。ヒットが出ればサヨナラだ」
 階とは4度目の対戦となる。これまでは、公示前に済ませておくべき支持者回りに時間を取られてきたが、今回は毎日十数カ所のペースで街頭演説をこなして「ちゃんと選挙戦ができている」(陣営幹部)。
 基礎票を固めて外に打って出てみると無党派の反応も悪くなかった。商店街で高橋は、積極的に女性客の輪に飛び込んだ。
 3極対決とは言うが、階と高橋は右サイドで競り合っている。大きく空いた左半分を共産党新人吉田恭子が一人縦横に駆けていた。
 「憲法9条改正に反対する唯一の候補者だ」。15日には盛岡市中心部の歩行者天国を練り歩いた。「民進党がなくなり、投票先がなくなった人がいる」と吉田。護憲勢力の結集を狙う。(敬称略)


2017年10月18日水曜日


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