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<衆院選>流されず本質見極める目を 東北大学生サークルが討論の場提供

「学問と社会をつなぐサロン」で、北朝鮮問題の外交政策などを議論する東北大の学生=13日、仙台市青葉区の東北大付属図書館

 「右」と「左」の間に、「寛容な保守」を掲げる政党が誕生し、中間寄りに「リベラル派」が結集して迎えた衆院選(22日投開票)。東北大の学生サークル「学問と社会をつなぐサロン」は、ふわっとしたイデオロギーやイメージに流されがちな選挙の争点や国政課題の本質を見極め、選択の基準を提供しようと議論を重ねている。
 サロンは東北大大学院文学研究科博士課程3年中島崇法さん(28)が2年前、仲間4人と設立した。研究に没頭し、社会との関わりが希薄になる危機感がきっかけだった。川内キャンパス(仙台市青葉区)にある付属図書館を拠点に、学内に開かれた討論の場となってきた。
 衆院選期間中の13日には、争点の一つに挙げられる北朝鮮問題をテーマに意見交換会を開催した。北朝鮮がミサイル開発に至った歴史的経緯をメンバーの1人が説明し、13人が外交政策を話し合った。
 「北朝鮮に広がる貧困がミサイル発射につながらないか」「都市部でなく地方に着弾したら対応はどうするか」。幅広い切り口の意見を積み重ね、「『圧力か対話か』の二元論を超えて議論が深まった」と中島さんは手応えを感じる。
 これまで約20回開催し、テーマはシリア難民やテロ事件、貧困やヘイトスピーチなど広範にわたる。参加者は20人を超えることもある。今月上旬には衆院選への関心を高めようと、宮城1区の与野党候補者が政策を語るインタビュー動画を公開し、意見を交わした。
 新党の目新しさやイデオロギーの主張が注目され、論戦の盛り上がりを実感できない今回の衆院選を念頭に置き、中島さんは「若者はただでさえイメージや雰囲気に流されやすい」と警鐘を鳴らす。政策にこそ投票先を判断する指針があると強調し、「サロンで深めた問題の考察を1票の選択に役立ててほしい」と呼び掛ける。
 3極対決とも言われる今回の衆院選。東北大大学院文学研究科の佐藤嘉倫教授(行動科学)は「日本では保守やリベラルという党の理念が必ずしも政策とマッチしない。表面的な印象に惑わされず、候補者の公約や能力をよく見極めて投票してほしい」と期待する。


2017年10月19日木曜日


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