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<週刊せんだい>今に息づく昭和の風景(3)オカルト・魔術 20世紀末にかけ流行

よく交ぜたタロットカードを一枚一枚めくって並べ、未来を占うTOMOさん=仙台市若林区中倉1丁目
開催中のオカルト・魔術フェアの書棚を整える田中店長=仙台市青葉区中央4丁目の喜久屋書店仙台店

 駄菓子屋、ドーナツ盤、スーパーカーにオカルト本…。平成の世にありながら、街のあちこちで「昭和」の香り漂うお店や商品、出版物を多く見掛けます。
 10月の「週刊せんだい」のテーマは「今も息づく昭和の風景」。40代後半以上のおじさん、おばさん世代が少年少女だった1960年代後半から80年代にスポットを当てます。当時人気だった遊びや、話題となった文化風俗を振り返りながら、今も人々を魅了する昭和の魅力について考えます。

◎神秘的な魅力変わらず タロット身近な存在に

<未来を占うカード>
 タロット占い 別離(わかれ)のカード 二人のあしたが見えそうね−。
 ノストラダムスの大予言に未確認飛行物体(UFO)、心霊写真。高度経済成長期から20世紀末にかけて、少年少女は雑誌に特集される神秘的な世界に狂喜した。1980年にヒットした山口百恵の「謝肉祭」に歌われているタロットカードも、当時流行したアイテムの一つだ。
 相談者の身の上話にじっと耳を傾け、「女帝」や「悪魔」、「太陽」などのきらびやかな絵柄をめくって未来を占う。仙台市若林区の自宅に占いの店「風のワンド(つえ)」を開く占い師TOMOさん(59)は、ここ十数年間で10〜70代の悩める男女と接してきた。占った人の数は2000近い。相談で特に多いのは仕事と恋愛、それに人間関係。今も昔も変わらぬ「三大テーマ」だ。
 タロットは発祥が定かでない。「始まったのは、14世紀とも15世紀とも言われる。生まれた国もフランス、イタリア、ドイツと諸説あります。そのあたりもミステリアスですね」とTOMOさんは説明する。
 カードが示した結果を、相談者に丁寧に伝えることを心掛ける。結果をどう受け止め、どう行動するのか、結局は当人次第だからだ。「これからの占いは、カウンセリングのような意味合いが大きくなっていくと思う」とTOMOさんはみている。神秘的な魅力から女の子たちに支持されてきたタロットは21世紀の現在、より身近な相談相手として市民の間に浸透している。

<ハリポタきっかけ>
 JR仙台駅西口のイービーンズに入る喜久屋書店仙台店は、6月から12月まで「オカルト・魔術フェア」を展開している。500冊以上を集めた専用の書棚には、「魔女狩り」や「封印された日本の村」といったおどろおどろしいタイトルが並ぶ。
 「老若男女、お客さまの反応は上々です」と田中忍店長(46)。「魔法使いの少年が主人公のベストセラーシリーズ『ハリー・ポッター』などに影響を受けた若い世代に、静かなブームが続いている」と語る。
 「1999年夏に空から恐怖の大王が来る」と予言したノストラダムスを取り上げる本や雑誌は影が薄くなった。一方、特に魔術関連の本はライトなものから研究論文のような内容まで種類が増えているという。
 フェアの書棚の前で足を止めた会社員女性(27)=青葉区=は「高校時代に都市伝説としてはやった異次元の世界に、ずっと興味がある」と話す。「怖いもの見たさで、夜寝る前に動画サイトで心霊スポットなんかをつい検索してしまいます」と笑った。神秘的なものに引かれる人の心は、いつの時代も不変のようだ。


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2017年10月19日木曜日


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