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<衆院選東北>激戦区ルポ(4)秋田3区 浮動票狙い保守激突

横手市の商業施設で行われた街頭演説で気勢を上げる有権者=17日

 22日投開票の衆院選は後半戦に突入した。東北の23小選挙区では政権維持を掲げる自民党が優位に戦いを展開。野党系候補は懸命に追い上げを急ぎ、共闘が成立した選挙区では激しい競り合いを繰り広げる。東北6県の攻防に迫った。

◎激流劇流

 秋田3区の命運を賭する地に、国会で火花を散らした宿敵同士が乗り込んだ。
 17日、横手市。
 「高校生や大学生の就職率が上がった。正規雇用も進んでいる」
 能代市から南下してきた首相安倍晋三は3000人近い支持者を見渡し、アベノミクスの成果を次々と繰り出した。隣に立つ自民党前議員御法川信英が、大きくうなずく。

<「最高の援軍」>
 拮抗(きっこう)する戦況の突破口を見いだしたい陣営幹部は、党首来訪に「最高の援軍が来た」と躍り上がった。地元の首長5人も出席し、与党の威光を見せつけた。
 希望の党前議員(比例東北)村岡敏英のもとに駆け付けたのは、前民進党代表の蓮舫。
 「権力者と関係のある者が得をする政治でいいのか。国民を軽視するな」
 安倍が論陣を張った場所から車で数分。蓮舫は村岡の集会に急きょ顔を出した。村岡に「生きてる?」と軽口をたたきながら、安倍政権に切っ先を向けた。
 県の南半分を選挙区とする3区。大仙、仙北両市など内陸部が根城の御法川に対し、村岡は沿岸部の由利本荘、にかほ両市が地盤。両陣営が勝負どころと見るのが、県南最大の有権者約8万人を擁する横手市だ。
 両陣営は「横手を制する者が3区を制する」と緻密な戦略を練る。
 両者の激突は2005年衆院選を皮切りに5度目になる。初戦は御法川が約3万4000票差をつけて圧勝。村岡を寄せ付けなかったが、前回14年は約5600票差まで接近された。村岡は元官房長官の父兼造から引き継ぐ地盤を背景に、悲願の選挙区勝利を期す。

<希望入り歓迎>
 希望失速が伝えられる中、村岡の支持者は「寛容な保守」を掲げる希望入りを歓迎する。村岡は元来、外交や安全保障の面で保守色が強く「革新系の呪縛が解け、すっきりした」(後援会幹部)と言われる。
 公示日直後の11日。党代表小池百合子は御法川の地盤、仙北市に入った。集まったのは陣営の予想を超す約1600人(陣営発表)。「安倍1強政治にノーを突き付けよう」。小池の言葉に陣営は勢いを増す。
 突き放しにかかりたい御法川陣営には、過去の対決にない危機感が漂う。衆院選投開票日の22日は由利本荘市議選と重なり、投票率アップが確実視される。横手、仙北両市の市長選は15日に終わったばかり。御法川陣営は「こちらは選挙疲れで投票率が下がるのではないか」と危惧する。
 自民党本部は、終盤に絞り込んだ全国49の「重点区」に秋田3区を組み込んだ。巨大与党が、最後のてこ入れに動きだす。
 共産党新人冨岡昭は立憲主義の回復を訴え、反自民の受け皿を狙う。(敬称略)


2017年10月19日木曜日


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