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<衆院選>迫る減反廃止、それなのに…コメ論戦乏しい実入り

選挙ポスターが掲示された看板と、周囲に広がる収穫後の田んぼ。コメ政策の訴えはかすんでいる=18日、宮城県岩沼市

 2018年に大きな転機を迎えるコメ政策が、衆院選で埋没している。40年以上続いた国の生産調整(減反)が18年産から廃止されるが、経済政策や安全保障などの陰に隠れ、各候補者が積極的に訴える姿は見られない。出来秋の論戦は実入りが乏しいまま、22日の投票日を迎えつつある。

<歯切れ悪く> 
 宮城3区の自民党前議員が16日、宮城県柴田町の農協で開いた演説会。候補者は仙台空港民営化の関連法取りまとめに力を尽くしたことや、地元の道路網整備を進めた実績のアピールに大半の時間を割いた。
 「ひとめぼれが中国で2キロ3000円で売れた。海外をターゲットに国が販路をつくる」。コメは、国が進める農産品輸出に絡めて触れただけだった。
 15日に山形3区の自民前議員の応援に駆け付けた斎藤健農相は、酒田市の農協で真っ先に農業基盤整備の必要性を説いた。「土地改良をないがしろにして、お金を配れば良いという政策の先に国内農業の未来はない」と力を込めた。
 演説の中盤でコメ政策に言及したが、減反廃止後の需給調整に関しては「過程でいろいろな問題が生じるかもしれないが、一緒になって乗り越えないといけない」と歯切れが悪かった。

<具体性なく>
 産地では稲刈りが終盤に入り、間もなく18年産の生産計画を立てる時期を迎える。国の生産数量目標配分に代わり、当面は各県の農業再生協議会が「目安」を示すが、国の関与がほぼなくなることで過剰作付けや値崩れへの懸念が強い。
 山形3区の希望の党元議員は16日に酒田市内で開いた演説会で「現場感覚のない改革を政府が進めようしている。止めないと農家は干上がる」と減反廃止への攻撃を強めた。宮城3区の希望新人も12日、県南の穀倉地帯とされる角田市の街頭に立ち「農業が危機にひんしている」と訴えた。
 両候補が共に主張するのは旧民主党政権時代に導入された戸別所得補償制度の復活だ。希望は公約に既存の農業関係補助金を「大胆に廃止」すると盛り込んだが、具体性はなく、候補者は旧民主の看板政策に頼らざるを得ない状況がある。

<向き合わず>
 東北6県で与党が1勝5敗に沈んだ昨年夏の参院選で、5県の農協系政治団体は自主投票とした。今回は多くの選挙区で自民候補の推薦に回ったのは、農政に対する野党の政策がはっきりしないことも大きい。
 宮城県内の農協関係者は「政党の組み合わせに話題が集中し、コメ政策に関心が向いていない。各党の準備不足もあり、生産者の不安に正面から向き合おうという政党は見当たらない」と冷ややかにみる。


2017年10月20日金曜日


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