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<衆院選宮城>「飛び地」仮設に候補者現れず 住民減り予定なし「復興への思いどう託せば」

南三陸町長選の立候補者の演説を聴く仮設住宅の住民ら。宮城5区の候補者が訪れる予定はない=2017年10月18日、宮城県登米市南方町

 22日に投開票を迎える衆院選の区割り改定の影響で、東日本大震災で被災した宮城県南三陸町民が暮らす登米市南方町の仮設住宅が宮城5区の「飛び地」になっている。住民が減ったためか、候補者が回る予定はない。「顔が見えないのに、復興への思いをどう託せばいいのか」。被災者の不安は膨らんだままだ。
 南三陸町は区割り改定で宮城6区から5区に編入されたが、仮設住宅がある登米市は従来の6区のまま。同市南方町の仮設住宅に住む無職女性(67)は「新しい選挙区の候補者はよく知らない。衆院選は投票しないつもり」と語った。
 仮設住宅は南三陸町民が暮らす団地として最大規模。自治会によると、約750人いた居住者は現在、20人ほどに減った。
 1人暮らしの女性公務員(60)は「人がめっきり少なくなったので、仮設住宅に候補者が来ないのは仕方ない」と肩を落とす。集会所前の掲示板には5区の候補者2人のポスターが張られているが、候補者本人や選挙カーを見ていない。
 同町歌津出身で1人暮らしの無職男性(77)は「古里は好きだけど、災害公営住宅の家賃は負担。買い物の便も悪く、戻れない。候補者に直接伝えたいのにその機会がない」と嘆く。
 今回は町長選、宮城県知事選と同日選となり、18日には町長選の立候補者がこの仮設住宅へ来て演説。周辺住民も含め約20人が集まった。無職女性(66)は「以前は国や町の選挙期間中に必ず候補者が来て、聴衆も多かった」と振り返る。
 5区に立候補した自民党前議員の勝沼栄明候補(42)の陣営は「登米市まで回りきれない」と説明。民進党系無所属前議員の安住淳候補(55)の陣営も「政党の車がなく、仮設住宅へ行く時間が確保できない」と認める。
 町選管は21日、仮設住宅の集会所に期日前投票所を設ける。自治会を通じて選挙公報を配り、区割り改定や候補者情報の周知に努めている。


2017年10月20日金曜日


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