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原発事故で避難の男性 交通整理ボランティア引退、児童ら「寂しい」

鶴城小前で児童に声を掛ける赤井さん=20日午前7時30分ごろ、福島県会津若松市

 東京電力福島第1原発事故で全町避難する福島県大熊町の赤井光清さん(81)が20日、避難先の会津若松市で続けてきた交通整理のボランティア活動を終えた。11月にいわき市の災害公営住宅に引っ越しする。約6年半、ほぼ休まずに子どもたちの安全を守ってきた赤井さんに、地域住民たちが感謝とねぎらいの言葉を送った。

 大熊町で大工をしていた赤井さんは40年以上前、地域の人に依頼されたことをきっかけに、交通整理のボランティアを始めた。
 原発事故で取るものも取りあえず避難。会津若松で家財道具や食料などの支援を受けた。「お世話になった恩返しを」と毎朝、鶴城小前と町役場会津若松出張所前に立つようになった。
 当初は制服を着なかったため、運転手から「なぜ車を止めるんだ」と怒鳴られることもあった。徐々に住民からあいさつされ、児童から「赤井さん」と名前で呼ばれるようになった。
 平日はほとんど休まず、雨の日も雪の日も子どもたちを見守った。交通事故の影響で両脚に痛みを抱え、病院に通いながら続けた。いわき市に長男夫婦が暮らしており、高齢になったため引っ越す決心をした。
 活動最終日の20日はいつも通り、通学で横断歩道を渡る児童に「行ってらっしゃい」と声を掛けた。子どもたちから手紙やプレゼントを渡され、握手も求められた。
 鶴城小6年の大島弓佳莉さん(11)は「赤井さんがいなくなると寂しくなる。1年生の時から毎日のように見守ってくれて感謝しています」と話した。
 活動を終えて町役場を訪れた赤井さんに花束が贈られ、職員が大きな拍手で見送った。
 赤井さんは「こんなに幸せなことはない」と感極まった様子。「つらいと思っても子どもの顔を見ると忘れて元気になれた。会津の人には本当に親切にしてもらった」と振り返った。


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2017年10月21日土曜日


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