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<衆院選東北>仙台決戦、自民底力で突き放す 薄氷の勝利

当選を決め、支持者と握手する秋葉さん=23日午前1時30分、仙台市泉区の事務所
当選確実となり、支持者から花束を受け取る土井さん=22日午後11時10分ごろ、仙台市青葉区の事務所

 「大義なき解散」の結末は、「敵失」に助けられての勝利だった。自民党は東北でも安定した支持層を守り切り、閣僚経験者らベテランを中心に続々と勝ち名乗りを上げた。森友・加計(かけ)学園問題の逆風を浴び、希望の党の誕生に一時は「解散判断を誤った」との危機感が拡大。しかし、その後は野党の離合集散を尻目に、着実に票を積み上げた。空虚な戦いに勝利し、維持された「安倍1強」。東日本大震災からの復興、経済再生といった多くの課題は道半ばだ。「国難突破」の看板を掲げた与党に課された責任は重い。

 スタート前から波乱含みで、薄氷の勝利だった。
 「本当に厳しい選挙だった。皆さんに感謝です」。宮城2区の自民前議員秋葉賢也さん(55)は23日午前1時半、泉区の事務所で支持者と何度も抱き合った。
 初の与野党一騎打ち。危機感は強かったが、足場はもろいままだった。
 9月下旬、仙台市議会の一室で容赦ない罵声が飛んだ。「フィニッシュだ。もう駄目」「先生が管理する党の通帳を出してください」。連携不足を理由に候補者交代を求めた2区内の自民市議団との亀裂を深めたまま、選挙戦に突入した。
 困惑した首相官邸サイドが直接、市議らを電話で説得。市議らは矛を収め、巨大組織の歯車が一気に回転しだした。「仙台の議席を『赤旗』にして良いのか」。終盤、秋葉さんは共産党批判に熱を入れ、保守層の結束にも奏功した。
 「政権批判を謙虚に受け止め、活動していく」。秋葉さんは誓いを新たにした。
 「厳しい戦いだった。しっかり働いて恩返しする」。宮城1区で4選を決めた自民党前議員の土井亨さん(59)は午後11時、青葉区の事務所で汗を拭った。
 野党分裂による東北一の混戦で、急伸する立憲民主党の影に追い詰められた。支持率上昇が続く情勢に戦術練り直しを迫られた。
 「間もなく追い抜かれる。どうか助けてほしい」。19日夜、青葉区であった個人演説会。支持者約200人の両手を力強く握り、苦しい懇願を重ねた。
 選挙カーのアナウンスも急きょ切り替えた。「逆転されてしまう。何とか押し上げてほしい。力を貸してください」と大接戦を前面に打ち出した。
 相手を振り切ったが、比例復活を許した。「リベラル層の厚さを突き付けられた」。相沢光哉選対本部長は渋っ面が解けなかった。


2017年10月23日月曜日


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