宮城のニュース

<衆院選宮城>自民接戦でも強さ 多弱野党、立て直し急務

<表の見方>候補者の並びは届け出順に左から右へ。氏名(敬称略)の下に党派、前元新別。得票の太字は、その市区町村における最多得票。得票には案分票も含まれるため、各市区町村票の合計と郡計、選挙区計は必ずしも一致しない。投票率も、小数点第3位を四捨五入しているため、各市区町村の平均と郡計、選挙区計の数字とは必ずしも一致しない

 「国難突破解散」を掲げて安倍政権が仕掛けた衆院選で、自民党は県内6小選挙区のうち、5議席を維持した。経済再生など政権の実績を訴え、接戦でも強さを見せた。野党は民進党系無所属の1議席にとどまり、半数の選挙区で政権批判票が分散。野党再編の混乱に乗じ、与党が議席を守った側面は否めない。
 自民は経済政策「アベノミクス」の成果を打ち出した上で、公約に幼児教育の無償化をちりばめ、したたかに無党派層への浸透も狙った。地域に張り巡らした組織をフル回転させた。
 安倍政権への厳しい評価は、2区で6選を目指した自民前議員を追い込んだ。民進系の無所属元議員との激しい一騎打ちは、最終盤まで当落がもつれた。
 2区を「重点区」と位置付けた自民。公示日の安倍首相を皮切りに、13日には小泉進次郎筆頭副幹事長ら大物を次々と投入し、総力戦で逃げ切った。「安倍政権を倒す」と批判を強めた元議員の陣営は共産、社民各党と結束を強めたが、あと一歩及ばなかった。
 野党再編の影響が色濃く出たのは、6人の争いになった1区だ。4選を狙った自民前議員は、昨夏の参院選、7月の仙台市長選で連勝した野党の勢いに警戒を強めたが、共闘は公示前に空中分解した。
 民進系の2新人がたもとを分かって希望の党、立憲民主党から立候補。立民新人が自民前議員にあと一歩まで迫っただけに、政権批判票の分散が自民を利する皮肉な結果となった。
 1、3、4区に新人を立てた希望は無党派層の支持が低迷し、苦戦を強いられた。3、4、6区に擁立した共産は共闘する立民にリベラル層を浸食され、得票が伸び悩んだ。
 県政界で「1強」を保った自民に、「多弱」の野党がどのように対抗軸を描いていくか。躍進した立民を軸に、民進、野党系の無所属議員らを巻き込んだ再編の第2幕は近いだろう。
 県内では仙台市長選、知事選が終わり、大型選挙は当面予定されていない。与党に対する一定の批判票がある中で、地に足を着けた受け皿づくりが急がれる。
(解説=報道部・吉江圭介)


2017年10月23日月曜日


先頭に戻る