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<衆院選東北>野党東北も分裂、迷走 自民地滑り的勝利に

東北で舌戦を展開した与野党党首。自民、希望、立民などがしのぎを削った

 安倍政権の是非を争点とした第48回衆院選は、東北の23小選挙区のうち18選挙区を自民党が制し、堅調な伸びを見せた。昨年夏の参院選で共闘し、秋田を除く東北5県を制した野党は分裂。政権批判の力が分散し、自民に地滑り的な勝利をもたらす結果になった。

 公選法改正に伴い、東北の選挙区は今回2減となった。自民は19選挙区で勝利した前回(2014年)並みの議席を堅持したが、解散当初は不安含みだった。
 森友・加計(かけ)学園問題を巡る政府の説明責任は十分果たされたとは言えず、対応への批判が噴出。緊迫する北朝鮮情勢も相まって「大義なき解散」「疑惑隠し解散」と批判が強かった。
 5年近くに及ぶ長期政権のおごりと緩みが顕在化する中、東日本大震災の被害を「まだ東北で良かった」と言い、今年4月に更迭された前復興相の失言も被災地では尾を引いていた。
 東京電力福島第1原発事故の被害を受けた福島1区で与党が選挙区の議席を失ったのは、その証左とも言える。
 野党は迷走した。小池百合子東京都知事が旗揚げした希望の党は野党第1党の民進党と合流し、自民との二大政党対決を狙った。公認と引き換えに、民進出身者に安全保障関連法と憲法9条改正の容認を迫る小池氏の「排除の論理」は反発を招き、民進は分裂。立憲民主党が発足した。
 共産、社民両党は、希望を「自民の補完勢力」と位置付けて対抗した。希望は東北で17選挙区に候補を立てたが、議席は岩手1区のみにとどまり、大敗を喫した。小池氏の強引な手法は「希望離れ」を招き、勢いは失速した。青森1区など、選挙戦終盤は政党色を薄め「個人戦」に切り替える候補も後を絶たなかった。
 宮城1区で東北唯一の候補を擁立した立民は選挙区で敗れたが、憲法改正などに反対するリベラル票の受け皿となって比例で躍進した。結局、野党で強みを見せたのは宮城5区、福島3区のように閣僚経験者ら「地力」に勝る無所属候補だった。
 敵失で自民は政権継続の信任を得たが、内閣支持率は回復せず消極的選択の側面が強い。安倍晋三首相は衆院選後にも改憲論議を本格化させるとみられる。強大化した「1強政治」への監視の目を、これまで以上に磨き上げる必要がある。
(解説=報道部・馬場崇)


2017年10月23日月曜日


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