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<衆院選岩手>野党攻勢に陰りも 沿岸部自民支持広がる

 【解説】区割り改定に伴い選挙区が4から3に減少し、1区は希望の党、2区は自民党、3区は野党系無所属の自由党代表が議席を獲得した。議席を得た3人の顔触れは前回(2014年)、前々回(12年)と変わらない。しかし戦いの内幕からは、野党攻勢、与党防戦が長く続いた岩手県政界に訪れつつあるかすかな変化が読み取れた。
 希望の「排除の論理」を支持者が嫌悪。1区と2区で明暗が分かれた。
 1区は前議員階猛氏が東北の小選挙区で唯一の党議席を死守した。選挙戦では二大政党制を目指す希望への合流の意義を強調。自民前議員高橋比奈子氏を地力で引き離し、5選をもぎ取った。
 2区の元議員畑浩治氏には逆風をはね返すだけの地力がなかった。元々は、野党4党の統一候補であることが国政復帰の最低条件だった。希望から立候補すれば共産、社民両党の離反は自明と分かっていながら、民進党県連の合流方針に従わざるを得なかった。
 1、2区とも中央政界の駆け引きに岩手の野党勢力が翻弄(ほんろう)された結果、15年知事選、16年参院選と時間をかけて築き上げた共闘態勢が一夜にして崩壊。全国に先駆けて野党共闘を進めてきた岩手だが、今後の再構築は予断を許さない。
 自民は2区で五輪相の前議員鈴木俊一氏が先代の故善幸氏から続く地盤を守り通算9選を決めた。現職閣僚の知名度に加え、震災で疲弊する水産業界や被災自治体の政権与党への期待を巧みに追い風へと変えた。
 鈴木氏は2回連続で野党の挑戦を退け、比例復活も阻止。沿岸部を中心に、自民が徐々に支持を広げている実態を印象付けた。
 3区の前議員小沢一郎氏は無所属の選択によって実質的に野党共闘を維持。選挙巧者ぶりを見せつけ自民前議員藤原崇氏を突き放した。ただ、後援会組織の弱体化は顕著。自民からは「票差ほど地力は負けていない」と声が上がった。
 岩手は19年に参院選と知事選が控えている。連続する大型選挙と中央政界の動きを両にらみで、与野党の駆け引きが今後も続く。
(盛岡総局・山形聡子)

<表の見方>候補者の並びは届け出順に左から右へ。氏名(敬称略)の下に党派、前元新別。得票の太字は、その市区町村における最多得票。得票には案分票も含まれるため、各市区町村票の合計と郡計、選挙区計は必ずしも一致しない。投票率も、小数点第3位を四捨五入しているため、各市区町村の平均と郡計、選挙区計の数字とは必ずしも一致しない。

2017年10月24日火曜日


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