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<山形大>ペルーの遺跡で新発見 洪水時のいけにえか

シカン遺跡で発見された遺体。いけにえとされた特徴があるという(山形大提供)

 ペルー北部で約1000年前に栄えた「シカン文化」について調査している山形大の松本剛准教授(人類学)らの研究チームは、文化が衰退した原因とされる11世紀中期の気候変動後も、当時の首都が放棄されなかった可能性を示す発見をしたと発表した。

 シカン文化は古代アンデス文明の一時期を形成。強度の高い合金の製造や大規模なかんがいによる農耕を背景にペルーの北海岸で繁栄した。これまで干ばつや洪水といった気候変動で社会が衰退し、首都が放棄されたと考えられてきた。
 研究チームは、最盛期の首都とされる「シカン遺跡」で8月以降、供宴の跡とみられる炭化物を分析。気候変動後の12〜13世紀と推定された。
 このほか、意図的に傷が付けられ、欠損した特徴がある10遺体も新たに見つけた。遺体は大洪水の発生時かその直後に、宗教儀礼によるいけにえとして、ささげられたとみられるという。
 松本准教授は「気候変動後も首都で多様な活動が行われた可能性がある。人々は、宗教儀礼によって困難にあらがおうとしていたとみられる」と説明した。
 研究チームの遺跡調査で、シカン文化以前の様式で埋葬された遺体も出土。文化の異なる二つの民族集団が共存していた可能性も浮上した。


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2017年10月24日火曜日


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