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<森林総研>「腐りにくい」「膝負担軽い」木質舗装材 ヒツジ牧場に試験敷設、復興の一助に

敷設された木質舗装材の上を歩く研究者ら

 無酸素状態で木材に250度前後の熱を加える「半炭化処理」をすることで、腐りやすさを克服した新しい木質舗装材を森林総合研究所(茨城県つくば市)などが開発し、東日本大震災で被災した岩沼市玉浦地区の遊歩道に試験的に敷設した。関係者は「利用されていない木材の有効利用につなげつつ、復興の一助になればいい」と話す。
 玉浦地区の景観改善などを目的に、市が整備したヒツジ牧場の広場に敷設された。森林総研の研究者らが今月、現地を訪れ、耐久性のほか、アスファルト舗装に比べて膝への負担が少ないことを確認した。
 森林総研などは今後、定期的に敷設状況を確認。舗装の腐食の進み具合に加え、潮風にさらされる環境でも品質が保たれるかどうかを追跡調査する。
 木質舗装はアスファルト舗装に比べて軽く、蓄熱しにくい特徴から公園や遊歩道などに利用されてきた。ただ、木材が腐るため最短だと4、5年で劣化し、耐用年数が短いことがネックになっていた。
 森林総研は奈良県森林技術センター(奈良県高取町)と共同で半炭化処理の研究に着手し、炭化してももろくならない温度帯を特定。東北工大と舗装材メーカーのニチレキ(東京)などが半炭化処理したチップとアスファルト、セメントなどを混ぜて木質舗装材を製造した。
 理論上、耐用年数は約20年と飛躍的に長寿命化すると見込まれる。全国の歩道や駐車場、公園などに利用が広がれば、山林に眠る未利用の木材資源だけでなく、果樹の剪定(せんてい)枝などの有効活用を図ることができる。
 森林総研木材乾燥研究室の吉田貴紘室長は「岩沼で半炭化処理した木質舗装材の実証試験を進め、木材の利用促進を呼び掛けていきたい。歩きやすい舗装なので、被災地ににぎわいを取り戻すきっかけにもなる」と力を込める。


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2017年10月26日木曜日


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