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<2017梨田楽天>夢届かず(中)外れた思惑/先発ローテ再編 裏目

自己最多に並ぶ15勝をマークした則本
今季加入し、8勝を挙げた岸

 「東北・夢・再び」を掲げ、2013年以来の王座奪還を期した梨田監督2年目の東北楽天は今季前半戦、首位で折り返すほどの快進撃を見せた。だが夏場から急失速して3位に。4季ぶりに進出したクライマックスシリーズ(CS)はファイナルステージまで駒を進め、王者ソフトバンクに2連勝で先手を取ったものの、3連敗で敗退した。東北を歓喜させる夢は、現実のものとなりかけながらついえた。強さと弱さが紙一重だったこの一年の戦いを振り返り、常勝軍団を目指すチームの収穫と課題を探る。

<3本柱機能>
 「2人が沢村賞を争うぐらいになれば優勝が見えてくる」。2月の久米島キャンプ初日。ブルペンで則本と岸が並んで投げる姿に、梨田監督は飛躍への青写真を描いた。前半戦はその思惑通りに進んだ。
 今季は西武で103勝を挙げた岸が加入し、則本とダブルエースが確立。前半戦は則本が9勝、岸が7勝の活躍を見せた。美馬も7勝し、50勝(24敗1分け)のうち23勝を先発3本柱で挙げた。
 その前半戦を締めくくる7月11、12日のソフトバンク2連戦。梨田監督は勝負を仕掛け、則本と岸を初めて同一カードに投入すると、狙いが当たって2連勝。日本一となった2013年以来の首位で折り返し、梨田監督からは「超出来過ぎ」と本音が漏れた。

<歯車に狂い>
 しかし、後半戦になると歯車が狂い始めた。その発端が先発ローテーションの再編だ。8月18〜20日のソフトバンク3連戦も両エースを並べてぶつけたが、痛恨の連敗を喫した。3戦目も落とし、前カードの西武戦から6連敗。7月の再現を狙った首脳陣の思惑は外れ、ソフトバンクとのゲーム差は一気に6.5まで広がった。
 東北楽天の元投手で解説者の山村宏樹氏は「岸と則本を並べたことで、『ここは負けられない』と野手陣の重圧になり、打線が振るわなくなった。次カードの投手にも両エースがいないことで負担が掛かった」と分析する。
 ソフトバンクの首脳陣からも「ローテーションを崩してまで岸と則本をぶつけてきたのは理解できなかった。あの時期はどこに勝とうが1勝は1勝。終盤戦なら分かるが」との声が漏れた。
 その後も8月23日から泥沼の10連敗。9月1日に自力優勝の可能性が消滅した。後半戦、岸は打線の援護に恵まれず1勝止まり。西武にも競り負け、シーズンを3位で終えた梨田監督は「岸で勝てないことがすごく大きかった」と振り返った。

<中継ぎ収穫>
 一方、後半戦の急失速でかすんだが、今季全般で見れば、昨季はやりくりに苦しんだ中継ぎが底上げできたのは収穫だった。新人の高梨、森原、菅原が台頭。森原は前半戦で勝ちパターンの一角を担い、左腕の高梨は左キラーとして存在感を示した。新外国人のハーマンはリーグ2位の33ホールドを記録。昨季5.16だった中継ぎの防御率は3.54に向上し、フロントの補強が奏功したと言える。
 6連敗と10連敗の2度の連敗を止め、高卒新人ながら3勝を挙げたドラフト1位の藤平が将来のエースの片りんを見せたのも来季に向けた好材料だ。投手陣の駒はそろいつつあり、より采配の重要性は増す。(佐々木智也)


2017年10月25日水曜日


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