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3代目「おえびすさん」復興のシンボルに 戦争に大津波…気仙沼で復活へ

軍に回収された初代えびす像
津波に流された2代目

 「おえびすさん」として長年地元で親しまれ、東日本大震災の津波で流失した宮城県気仙沼市魚町の神明崎にあったえびす像を再建しようと、地元の有志が準備を進めている。大漁祈願で建てられた初代は太平洋戦争中に軍に供出され、1980年代後半に復元された2代目が被災。気仙沼市の魚のシンボル、カツオを釣り上げる3代目の銅像が、現地の復旧工事が終わる2019年度内にも復活する。
 初代は1932年に漁業関係者によって建てられたが、太平洋戦争の激化に伴い軍が43年に回収。神明崎にある五十鈴神社の氏子や漁船員の協力で、88年に2代目が建立された。
 だが、震災の津波で再び姿を消した。関係者がダイバーの協力を得て何度か海中を捜したが、見つからなかった。
 地元で復元を求める声が高まる中、今年8月に気仙沼商工会議所や漁業関係者らが中心となり「3代目えびす像建立委員会」を立ち上げた。気仙沼市で復興支援を続けるビール大手のサッポロホールディングスが「ヱビスビール」を販売する縁で協力を申し出たことが後押しした。
 計画によると、3代目は初代、2代目より15センチ高い1メートル65センチ。えびす様が釣る魚は2代目までのタイから、気仙沼市が水揚げ日本一を誇るカツオに変わる。
 仙台市青葉区の勾当台公園にある谷風像や太白区の八木山動物公園のベーブ・ルース像などを作った仙台市出身の彫刻家翁観二氏が手掛ける。翁氏は9月下旬に現地を視察し、立ち位置などを確かめた。
 建立委の会長を務める気仙沼商議所の臼井賢志名誉会頭(75)は「かつて漁師が手を合わせて大漁と安全を祈願したおえびすさんの復活は、気仙沼市民みんなが待ち望んでいる」と強調。「復興の象徴でもあり、内湾地区の観光スポットとして話題になるだろう」と話す。


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2017年10月27日金曜日


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