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<閖上津波訴訟>「無線鳴れば早く避難」遺族ら主張

 東日本大震災の津波で乳児を含む家族4人が名取市閖上地区で死亡・行方不明になったのは市の防災無線の故障が原因だとして、仙台市の夫婦ら遺族4人が名取市に約6700万円の損害賠償を求めた訴訟で、原告の遺族ら5人の尋問が27日、仙台地裁であり、遺族は「無線が鳴っていれば早く避難できた」と改めて主張した。2018年1月の次回口頭弁論で結審する予定。
 妻は津波に巻き込まれた母親の乗用車から、避難直前に用意したとみられるミルク入りの哺乳瓶が見つかったことを明かし、「無線が鳴らなかったから(避難を)急がなければいけないことに気付けなかった」と述べた。夫は「(避難の呼び掛けを)何もしなかった行政の責任をうやむやにしてはならない」と訴えた。
 指定避難場所だった閖上公民館の当時の館長だった男性(69)は「津波はあるだろうと考えたが、(防災無線が)鳴っていなかったので何もないのかと思った。閖上には大きな津波が来ないという先入観もあった」と証言した。
 公民館に周辺住民約100人が避難したが、男性は「緊迫感はなく、皆ゆっくり移動してきた」と説明。津波時に公民館を避難場所として使わないよう、市が内部で申し合わせていたことについては「全く知らなかった」と話した。
 訴えによると、閖上地区の妻の実家にいた長男の乳児と両親、祖母が被災。2人は閖上小付近で遺体で見つかり、残る2人は現在も行方が分かっていない。


2017年10月28日土曜日


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