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<震災遺物返却>陸前高田市の事業11月末終了 写真約7万枚ほか物品2500点以上

 東日本大震災でがれきの中から見つかった品々を持ち主や家族に返す岩手県陸前高田市の事業が11月末で終了する。拠点施設を構え、市民の集まる場所でのリスト閲覧や市内外での返却会を実施してきた。事業を受託した団体は「一つでも多くの品を返したい」としており、活動の継続に協力を呼び掛けている。
 市が保管しているのは写真約7万枚のほか、位牌(いはい)、トロフィー、卒業証書、通知表といった物品2500点以上。拠点施設で11月22日まで返却に応じている。
 「子どもの結婚式で使いたい」と何日も捜しに訪れた人や、見つけ出した診察券が唯一の形見になった人もいたという。
 理容室や診療所に写真と物品のリストを置き、古里を離れた避難者や出身者向けに岩手県内陸部や東京などで返却会も開いてきた。
 本年度の来場者は前年度より増え、9月までに写真だけで約2000枚を返却できた。
 事業を受託する三陸アーカイブ減災センター(釜石市)の秋山真理代表理事は「思い出の品を捜したいと思えるようになるタイミングは人それぞれ」と語る。
 取り組みを知らない人や思い出すのがつらいという人も多く、秋山代表理事は「事業はまだ必要とされている」と訴える。
 返却事業は国の緊急雇用創出事業の補助金で運営してきたが、2016年度に補助が終了。陸前高田市は復興庁の心の復興事業に財源を求めたが認められず、本年度は自主財源から約700万円を出した。
 今後は減災センターと市が覚書を締結した上で取り組みを続けたい考え。寄付金の募集を11月1日に始める。連絡先は三陸アーカイブ減災センター0192(47)4848。


2017年10月28日土曜日


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