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<つながる じもとHD発足5年>歩みと展望/インタビュー

すずき・たかし 成蹊大卒。1977年振興相互銀行(現仙台銀)入行。2003年取締役。07年常務。13年6月頭取、じもとHD会長を兼ねる。仙台市出身。63歳。
あわの・まなぶ 東北大卒。1979年旧山形相互銀行(後の山形しあわせ銀行)入行。2007年合併できらやか銀専務。08年4月頭取。じもとHD社長を兼ねる。山形市出身。61歳。

 じもとホールディングス(HD、仙台市)の発足から5年。傘下の仙台銀行、きらやか銀行(山形市)の両トップに、これまでの歩みと展望を聞いた。

◎仙台銀・鈴木隆頭取/中小貸し出し伸ばす

 −経営統合から5年が過ぎた。
 「東日本大震災直後、宮城と山形の人と情報、産業をつなごうと立ち上がった。復興に貢献しながら必死で歩んできた」
 「両行が互いに良い点を取り込んできた。統合前は『井の中のかわず』で、勉強になることが多かった。例えば営業店の評価。仙台銀は優秀店の表彰だけだったが、きらやか銀は役員が出向き慰労する。仙台銀も取り入れ、コミュニケーションの機会を増やした」

 −取引先企業の本業支援に力を入れている。
 「他行は本店に置いた専門部署を中心に対応するが、われわれは両行各店の全営業担当が取引先でニーズや悩みを聞く。それを蓄積し、調整してマッチングや経営改善の提案につなげる。全店の全員で本業支援に取り組めば情報量が違う。ニーズの数だけ本業支援のパターンがある。他行と差別化ができるじもとHDの強みだ」
 「銀行の最大の財産は人。人で勝負できる銀行にしたい。お客さまのニーズにどれだけ応えられるか。女性の営業担当も増えている。しっかり育成したい」

 −今後の戦略は。
 「仙台圏でのシェアが高くない。その分伸びしろはある。中小企業貸し出しが順調で、さらに伸ばしたい。ここに人材を集中投下し、生産性を向上させる。厳しい収益環境が続く中、戦略のターニングポイントを迎えている。試行錯誤しながら持続可能性のあるビジネスモデルを模索したい」

 −他行との統合再編は。
 「再編を考えていない地銀のトップはいないと思う。入るという話があれば検討はやぶさかでないが、じもとHDとすれば2行の経営統合の完成が第一だ」

◎きらやか銀・粟野学頭取/差認め共通項増やす

 −じもとHD発足5年をどう振り返る。
 「10年前のきらやか銀誕生の時も合併に携わった。当時は効率化を進め、高収入体質の銀行にすることが狙いだった。仙台銀行とは営業戦略上の統合だ。両行で本業支援を柱にした。仙台は魅力ある市場であり、仙台銀も山形でのビジネスの幅が広がった」
 「それぞれ違う銀行で歴史がある。差を認めつつ、共通項を増やすことに力を注げばいい。一方に合わせるだけでなく、他行の手法を取り入れてもいい」

 −17年3月期は厳しい決算内容になった。
 「金利競争が激しく、有価証券の運用もリスクを取らざるを得ない。2、3年はこの状態が続くだろう。貸し出しは規模の大きな企業にやや偏っていた。昨年から中小企業を回っている。前身は相互銀行。原点に戻り、われわれの金融サービスを必要とする企業をきちんと支えたい」

 −本業支援の質の向上が求められる。
 「営業先で突っ込んだ話をすることが大切だ。仙台圏の市場分析など具体的な話を持ち掛ければ、相手からも情報を得られる。売り買い両方の話があればマッチングの確率は高まる」
 「インターネットやスマートフォンの普及で銀行は大きく変わる。ネット上で金利が比較でき、遠くの銀行と簡単に取引できる。機械の後始末が行員の仕事ではいけない。取引先と信頼関係を築き、気軽に相談できるようにならなければ、銀行は生き残れない」

 −仙台圏の市場の今後をどう見る。
 「山形は人口も事業所も減る。仙台は人口は減らないかもしれないが、参入する金融機関は多い。市場は大きいものの、競争が厳しくなることは間違いない」

 


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2017年10月28日土曜日


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