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<逃げまるくん>イノシシ撃退装置、クマにも効果あった!食害大きい栗畑で実証

栗畑に設置した逃げまるくんの脇に立つ柴田さん

 全国各地でクマによる食害が相次ぐ中、精密部品加工の小野精工(宮城県岩沼市)が開発した害獣撃退装置の検証を秋田県北秋田市の栗畑で実施したところ、食害が全く出なかったことが分かった。装置はイノシシ用などとして製造されたが、クマ被害が後を絶たないことから、栗が実を付ける時季の約2カ月間、クマの多い地域で実証試験を行っていた。

 試験に用いられた装置は「逃げまるくん」。動物が嫌うレーザー光を昼は緑、夜間は赤に切り替えて照射し、害獣を追い払う。太陽光パネルと蓄電池で稼働するタイプがあり、電源がない山間部などでも利用が可能だ。
 同社は8月中旬、「マタギの里」と知られる北秋田市阿仁地区で実証を開始。奥深い山中の沢沿いに広がる栗畑に2台設置したところ、レーザー光が届くエリアは今月半ばまで食害がゼロだった。この期間は毎年、クマが頻繁に出没し、栗の木に登って実を食べ荒らしてきた。
 実証試験に協力した阿仁地区の農家柴田雅文さん(66)は「離農者が相次ぐなどし、栗畑は今やクマにとって最高のえさ場。ほかの栗畑はひどくやられたが、うちには全く出没せず、すごい効果だ」と話す。
 同社は昨年6、7月、東北各地でイノシシなど向けの実証試験を実施し、農家などモニターの85%から効果があるとの回答を得ている。今回は装置の盗難防止用に衛星利用測位システム(GPS)技術などを提供したNTTドコモと共同で、初めてクマに特化した試験に臨んだ。装置は1台約50万円。
 小野精工の小野宏明会長は「全ての害獣に効く装置だと証明できた。逃げまるくんで農地やゴルフ場などを守り、人間社会に出てくるクマなどを元の里山に戻したい」と力を込めた。


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2017年10月29日日曜日


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