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<高知むすび塾>「命自ら守る意識を」被災遺族ら講演、南海トラフへの備え呼び掛け

震災当時を振り返り、備えの大切さを訴える(右から)元田さん、格井さん、志野さん、山岡さん=高知県安芸市の県安芸総合庁舎

 防災・減災キャンペーン「いのちと地域を守る」に取り組む河北新報社は28日、高知新聞社との共催で「東日本大震災を忘れない〜被災体験を聞く会」を高知県安芸市で開いた。参加者約120人を前に岩手、宮城両県などの被災遺族ら4人が講演。悲しい犠牲を繰り返さないよう訴え、「南海トラフ巨大地震に備え、自分の命は自分で守る意識を高めてほしい」と呼び掛けた。
 石巻市の東北福祉大1年志野ほのかさん(18)は東松島市野蒜小6年だった震災時、祖父=当時(65)=が自分の帰りを待ったまま津波の犠牲になったと紹介。「津波からどう避難するかを家で話し合っていなかった。後悔は今も消えない」と無念の思いを話した。
 自宅のあった名取市閖上で両親を失った地域情報紙「閖上復興だより」編集長の格井直光さん(59)は、「地元には津波への用心を促す石碑があったが伝わらず、避難が遅れた。先人の教えを大切に伝承する必要がある」と強調した。
 宮古市田老の元田久美子さん(60)は、「万里の長城」と呼ばれた巨大防潮堤などを案内する被災地ガイド「学ぶ防災」の活動を報告。「防潮堤は避難の時間稼ぎには役に立つが、過信は禁物。『津波てんでんこ』の意識でとにかく逃げてほしい」と訴えた。
 安芸市出身で熊本県西原村の山岡縁(ゆかり)さん(42)も登壇した。熊本地震で自宅が半壊した経験に触れ、「激しい揺れで死ぬかと思った。揺れに対する備えも重要だ」と語った。
 講演した4人は、河北新報社と高知新聞社が安芸市で29日に開く防災ワークショップ「むすび塾」にも参加する。


2017年10月29日日曜日


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