広域のニュース

<むすび塾>夜間訓練で避難経路確認 世代超え防災意識育む 高知・安芸

雨の中行われた津波避難訓練で、避難路を上って高台を目指す参加者=28日夜、高知県安芸市の伊尾木地区

 高知県安芸市で28、29の両日あった「むすび塾」に参加した同市の住民らは、津波を想定した夜間避難訓練を基に地域から災害犠牲を出さないための方策を考えた。東日本大震災と熊本地震の被災者の教訓にも耳を傾け、災害に備える意識の大切さを確認した。

 28日夜の訓練には、安芸市伊尾木地区をはじめ市内他地区の住民ら計約50人が参加。雨の中を懐中電灯で足元を照らしながら、伊尾木公民館から高台の伊尾木保育所と津波避難タワーに上り、津波襲来時の避難経路を確認した。
 初めて参加した西ノ島地区自主防災会副会長の山口隆朗さん(63)は「視界の悪い夜、降雨という厳しい条件下で地震や津波が起きる恐れもある。こうした訓練を日頃から重ねる重要性を身をもって体験できた」と話した。
 市防災センターで29日に開いたワークショップには、市内の自主防災組織役員やPTA役員、消防署員らに震災経験者の4人が加わって意見交換。訓練を振り返りつつ、防災意識の地域差や災害時に避難しようとしない高齢者らへの呼び掛け、揺れに対する備えなどについて話し合った。
 市自主防災組織連絡協議会女性部会長の仙頭ゆかりさん(59)は「地域防災に取り組む姿勢を大人が見せることは子どもたちの意識を育むことにつながる」と世代を超えた防災意識向上に努める考えを示した。高知県安芸桜ケ丘高2年の畠山沙姫さん(16)は「災害がいつ起きるかは分からない。自分の命は自分で守るという意識を持ちたい」と気を引き締めた。
 宮古市田老で被災地ガイドを務める元田久美子さん(60)は、震災時に内陸の住民が被災した沿岸住民向けに炊き出しをした例を紹介。「住民同士が広域的に支援し合う体制づくりも重要だ」と指摘した。
 東北大災害科学国際研究所の佐藤翔輔助教(災害情報学)は「伊尾木地区は定期的に訓練を重ね、体だけでなく心の面でも災害に備える姿勢が生まれている。他の地域でも訓練を実施してほしい」と呼び掛けた。


2017年10月30日月曜日


先頭に戻る