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<仙台市合併30年>旧宮城町偏る発展 人口増える愛子、過疎化進む西部

宮城地区まつりに参加した親子連れ。愛子地域では子育て世代の定住が目立つ=29日、仙台市青葉区の広瀬文化センター

 1987年11月に当時の宮城町が仙台市と合併して1日で30年になる。市街地と仙台西道路で直結する愛子地域には商業圏が形成され、地区の人口は7万2926と合併時から2.5倍に増えた。一方、西部は過疎化が進み、地区内の人口分布の不均衡さが際立っている。
 「ひなびて、のんびりしている所が良かった」
 79年に内嶋洋之さん(73)は市中心部から落合に移り住み、下愛子でスポーツ用品店と釣具店を始めた。当時は街灯も少なく、人通りはまばらだった。
 ところが、83年の仙台西道路一部開通を境に環境が一変した。愛子地域まで延長すると商業施設や医療機関が進出。買い物や通院は域内で済むようになった。ラーメン店激戦地として知られ、アパート暮らしの若者も少なくない。内嶋さんは「ちょっと発展し過ぎだね」と苦笑いする。
 大規模住宅地が次々分譲され、若い世代が移り住んだ。栗生、愛子、錦ケ丘の小学校が新設された。合併時1万1809だった愛子地域の人口は、3万7980(10月1日現在)と3.2倍に増えた。
 町議4期、市議5期を務めた加藤栄一さん(82)は「人口増加に伴ってJR仙山線仙台−愛子間が平日上下計100本超に増え、より便利になった」と話す。
 対照的に少子高齢化、過疎化が進むのが、作並温泉やニッカウヰスキー仙台工場、定義如来などの観光地がある西部。作並地域の町内会や企業は9月、作並・新川地区活性化連絡協議会を設立し、地域振興の方策を探る議論を始めた。
 観光交流館「ラサンタ」を運営する作並振興協会の工藤秀也会長(77)は「商店が廃業し、愛子に行かなければ買い物できない。地域は衰退している」と嘆く。
 ピークの59年に369人だった作並小の児童は現在18人。同校の新川分校は2012年に休校した。利便性を求め、愛子地域に移住する流れが止まらない。
 新川を含む作並地域の高齢化率は38.6%(16年10月)と高水準。青葉区宮城総合支所は「今後さらに上昇する」と危惧する。
 工藤会長は「市のまちづくりは中心部に偏り、西部の豊かな自然を生かす政策が足りない」と指摘する。


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2017年10月31日火曜日


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