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電子部品企業がアケビ栽培 定年延長者を活用し果実出荷

電子部品メーカーの畑でたわわに実ったアケビ。はぜていない実を選んで出荷す

 電子部品製造の矢島小林工業(由利本荘市)が、本格的なアケビの栽培に取り組んでいる。定年延長の年配の従業員を活用し、今年から秋田県内の市場や首都圏の飲食店に果実を出荷している。今後は収穫量を増やすとともに、種や皮を使った加工品の開発にも取り組む。
 同市由利地区の畑約5600平方メートルで約1600本を栽培している。寒暖差のある鳥海山麓の気候を生かし、甘味が強くて色の濃い果実に仕上がった。「秋田あけび」の名称で10月上旬から出荷している。
 2011年に定年を60歳から65歳に引き上げた際、年配の従業員の受け皿として栽培を始めた。地元の農家と競合せず、利用価値の高い作物を探した結果、アケビにたどり着いた。
 県内にアケビの栽培農家はなく、山形県朝日町で栽培技術を学んだ。本業で培った生産管理のノウハウを応用し、防虫や受粉、摘果の作業手順書を作成した。
 アケビの種や皮には、脂肪の吸収を抑えるとされる成分が含まれている。江戸時代には、現在の仙北市西木町周辺で種から油を絞っていたという。今野智彦社長は「実が食べられるのはもちろん、種や皮も使えて捨てるところがない」と話す。
 当初はアケビ油の生産を目指したが、量産や保存に難航。地元の農産物直売所しか取り扱っていなかった果実の販売に力を入れたところ、昨年は30キロだった出荷量が約1トンと30倍以上に増えた。担当者は「予想以上の売れ行き。アケビがあればもっと出荷したい」とうれしい悲鳴を上げる。
 熟してはぜてしまった実はアケビ油にするほか、サプリメントの原料として皮を粉末にした製品の開発にも取り組む。来年は、皮が黄色で苦味の少ない品種も出荷したい考え。
 今野社長は「年配の方から『懐かしい』という声をもらった。多くの人に、秋田産のアケビを知ってほしい」と語る。


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2017年10月31日火曜日


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